稲盛氏「京都賞」の財団理事長退任、「創立者」に 後任は長女

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理事長を退任した稲盛和夫氏

 科学、文明の発展や精神の深化に対する功績をたたえる「京都賞」を贈る公益財団法人「稲盛財団」(京都市下京区)の新たな理事長に、稲盛和夫氏(87)の長女金澤しのぶ氏(58)が24日までに就任した。1984年の財団設立以来、理事長交代は初めて。稲盛氏は理事も退任し、名誉職の「創立者」となった。

 14日に開いた理事会で決定した。財団は今回新たに理事の年齢の上限を85歳とする規定を導入。「定年」となる稲盛氏は理事を退き、財団運営を長女の金澤氏に委ねた。

 稲盛財団は、京セラ(伏見区)を創業した稲盛氏が「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間として最高の行為」とする信念に基づき、私財約200億円を拠出して設立。85年に贈呈を始めた京都賞はこれまで世界各国の110人以上が受賞し、京都大の山中伸弥教授や本庶佑(ほんじょたすく)特別教授ら後にノーベル賞に輝いた研究者も数多い。

 財団によると、京都賞の歓迎式典や授賞式などに稲盛氏が今後出席するかは未定という。稲盛氏は、自身が塾長を務める経営者の自主勉強会「盛和塾」も、高齢などを理由に今年末で解散することを決めている。 ■かなざわ・しのぶ 同志社大経済研究科修了。1991年、稲盛財団理事に就任し、2015年から副理事長。19年6月の理事会で理事長に就いた。京都市出身。