「預金」「貯金」「貯蓄」はどう違う?

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普段、何気なく使っている「預金」「貯金」「貯蓄」という言葉ですが、実はそれぞれに違う意味があることをご存知ですか? 雑学として覚えておいてソンはしない、それぞれの違いについて詳しく解説します!

「今月は出費が多くて“貯金”できなかった」「将来の教育資金を“貯蓄”したい」など、普段「預金」「貯金」「貯蓄」という言葉を何気なく使っていますが、実はそれぞれに違う意味があることをご存知ですか? 人に教えたくなる雑学として、覚えておいてソンはありません。詳しく紹介しましょう。

「預金」と「貯金」の違いは、お金を預ける金融機関

「預金」と「貯金」を区別しないで使うことはけっこう多いのですが、厳密には大きな違いがあります。その違いはお金を預ける「金融機関」。具体的には、以下のように区分されています。

●預金……銀行・信用金庫・信用組合などに預けるお金

●貯金……ゆうちょ銀行・農協(JA)・漁協(JF)などに預けるお金

この「預金」と「貯金」を総称して「預貯金」といいます。預ける金融機関によって呼び名が違うのは、銀行や郵便局がつくられた際の過程の違いにあるようです。

明治8年にイギリスの郵便貯金制度を手本として、日本の郵便貯金は誕生しました。その際、英語の「savings(セービングス)」を訳して「貯金」という言葉ができたといわれています。なお、郵便貯金を利用していたのは、主に農民だったそうです。

一方、日本に銀行が誕生したのは明治6年のこと。このとき、英語の「deposit(デポジット)」を訳して「預金」といわれるようになったのだそうです。当時、銀行を利用するのは商人や企業で、庶民にはあまりなじみのない金融機関でした。また、このころから、預金を使った企業への貸し出しが行われていました。

このように「預金」と「貯金」は、名称も成り立ちも異なるものでしたが、現在では実質的な違いはありません。単純に金融機関の違いだと覚えておきましょう。

「預金」と「貯金」を保護する制度も違う

なお、金融機関に預ける預貯金は、元本保証があるのが特徴です。もし、お金を預けている金融機関が破たんしたとしても、1人あたり元本1000万円とその利息分は保障されます。預金は「預金保険制度」、貯金は「貯金保険制度」により、一定範囲まで保護されています(利息のつかない決済性預貯金は全額保護されます)。

つまり、預金と貯金では、保護する制度も違うわけです。なお、郵便局は民営化後にゆうちょ銀行となり、預金保険制度の対象となりましたが、現在もそのまま「貯金」の名称で呼ばれています。

「貯金」は広い範囲の「貯める」意味で使われている

では、貯金箱で貯めている500円玉貯金や、タンスの引き出しに貯めているお金は何というのでしょうか。この場合には「貯金」が正解です。というのも、貯金は「現金を貯める」という、広い意味でも使われているからです。ですから、金庫にしまっているお金や、家に保管しているヘソクリなども、貯金ということになります。

「貯蓄」は金融資産全般のこと

「貯蓄」とは、「財貨を蓄える」または「所得のうち、消費されずに残った部分」のことをいいます。「預金」と「貯金」が金銭のことを指しているのに対して、「貯蓄」は金銭以外のものも含めた、金融資産全体を示す言葉として使われています。

つまり、預金や貯金も貯蓄の1つで、そのほかにも株式、生命保険、不動産、年金、金融機関からの借入金なども含まれるということです。

預金・貯金・貯蓄について、ざっくりと図にまとめました。

図:「預金」「貯金」「貯蓄」の違い

「預金」「貯金」「貯蓄」の違いについて、理解いただけましたか? 「預金」「貯金」はお金を貯めておくという意味があり、「貯蓄」には、さらにお金を増やすための「投資」も含まれているのです。

「旅行に出かけたい」「マイホームを購入したい」「老後の蓄えを準備したい」など、どの世代にとっても、将来のための資産づくりはかかせません。生活の基盤をつくるための第一歩としての「預金」と「貯金」、大きな希望を実現させるための「貯蓄」について、改めて考えてみましょう。

(文:滝田 知歩(マネーガイド))