長野県の高校で球児の「丸刈り禁止」 真意は? 長野・中野

©株式会社長野放送

甲子園を目指す球児たちの熱い夏が始ろうとしている。長野県中野市の高校の硬式野球部は、この春から「丸刈り禁止」を打ち出した。なぜ禁止にまで踏み込んだのか。

中野立志館高校硬式野球部の部員は38人。練習風景は他校と変わらないが、帽子を取ると・・・。丸刈りの部員がいない。この春から野球部は「丸刈り禁止」に。衛生的でプレーにも集中しやすいとして、高校球児の頭髪は今も「丸刈り」が主流だ。それを、なぜ?

7年前、赴任した柳沢仁監督はまず髪型を自由化した。

(監督)「身だしなみを整え、髪型を選択する力を身につけてほしいと。丸刈りにしなくてもよくなるとどんな現象が起こるか確認したかった」

ところが、丸刈りに親しんできた部員たちに自由化はなかなか浸透しなかった。そこで・・・。

(監督)「社会に出ると時間や場所や立場によって髪型を選択しなければいけない。(禁止で)そういう力を身につけるきっかけにしようと」

髪型も含め「自分で選ぶ力」を養ってもらおうと、敢えて「丸刈り禁止」に。

(主将)「びっくりしたけど社会に出たら大切なことだから大事にしようと思った。初めて(美容院に)行くときは緊張した」

(部員)「少しおしゃれできるようになった。今はお母さんが切ってくれて、似合ってるって言ってくれる」

髪型は自由だが、「ルール」はある。

(監督)「応援してくれる人が応援したいと思うような髪形を自分たちで考える」

球児にふさわしい、さわやかな髪型の模索が続いている。

監督が丸刈り禁止を打ち出したのにはもう一つ、大きな理由が・・・。

(監督)「丸刈りが嫌で野球部に入らないという子が一定数いるのは事実。その子たちを所属させられないというのは野球界にとって損失」

少子化や野球離れで県内の高校野球部の部員数は減少傾向。2015年度は3600人余りだったが、今年度は2900人余りに。監督は野球好きの子どもたちを増やそうと未経験者向けの野球教室を開催する指導者グループのメンバーで、今回の方針は野球離れへの危機感を背景にした部員確保策でもある。さらには「固定観念」への挑戦という側面も。

(監督)「野球をやる子どもたちがいなくては野球界の発展はない。髪が短い方が一生懸命やっているという勝手な価値観がある。部員にはそうではないことを証明してほしい」