地震関連の悪質デマ、後絶たず 熊本県内の大学生らサイバーパトロール

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新潟で震度6強を観測した地震などを受け、ネット上のデマ情報をパトロールする熊本学園大の学生たち=24日、熊本市中央区

 「猛獣が逃げた」「大地震がまた襲ってくる」─。2016年の熊本地震以降、全国で大きな地震が発生するたびにインターネット上に悪質なデマが投稿されるケースが後を絶たない。新潟で震度6強を観測した地震を受け24日、県内の大学生グループがサイバーパトロールを実施し、真偽不明の23件を確認。「いたちごっこ状態」が改めて浮き彫りになった。

 「また見つかった。シマウマだ」。熊本学園大(熊本市)の一室でパソコンの画面を見ていた、サイバー防犯ボランティア「KC3」メンバーの田畑克樹さん(22)=同大4年=が声を上げた。

 ツイッター上で確認したのは「地震で動物園のシマウマが脱走」との書き込みと、シマウマが路上に立つ画像。県警によると、大阪北部地震(18年6月)後に出回った画像と似ており、使い回しの可能性がある。

 この日は朝、関東地方で震度4の地震があったばかり。大学生18人がツイッターなどの書き込みを調べると、「これは人工地震」「地震雲が出ている」など根拠のない情報や、「新潟地震、もっと人が死んでくれた方が面白い」といった非常識な書き込みも。立ち会った県警サイバー犯罪対策課は「悪質で違法性があるものに対しては厳しく臨む」。

 熊本地震では、前震直後に「熊本市動植物園のライオンが逃げた」とうそのデマが画像とともにツイッターに投稿され、園は問い合わせに追われた。3カ月後、県警は偽計業務妨害の疑いで20代の男を逮捕した。その後も大阪北部地震や北海道地震(18年9月)後、根拠のないデマが氾濫、被災者に不安を与え続けている。

 県内4大学の学生65人でつくるKC3はサイバーパトロールなどに取り組んできた。田畑さんは「最近はデマを流さないよう呼び掛ける投稿もあり、抑止につなげる動きも出てきた」。

 熊本学園大の堤豊教授(情報科学)は「デマが後を絶たないのは残念だが、地道な活動は欠かせない。一方で、(デマの投稿者に)厳しく対処する一罰百戒も必要だ」と指摘する。(藤山裕作)