170キロも夢じゃない 大船渡・佐々木 「大谷超え」の呼び声

©株式会社河北新報社

胸元まで左脚を高々と上げる大船渡・佐々木の投球フォーム

 第101回全国高校野球選手権大会の出場校を決める地方大会で今年、最も注目されるのは、大船渡(岩手)3年の佐々木朗希だ。4月の高校日本代表1次候補の合宿中に、プロ野球中日のスピードガンで、右腕から163キロをマークした。

 米大リーグ、エンゼルスで活躍する「二刀流」の大谷翔平(岩手・花巻東高出)が、高校時代に記録した160キロを上回る剛腕。既に日本ハムが今秋のドラフト会議での1位指名を明言した逸材は、どこまで球速を伸ばせるのか-。

 筑波大体育系の川村卓准教授は、長年にわたり、投手の投球フォームを分析してきた。佐々木について、「おそらく170キロは、割と早い段階でクリアするのでは」と予測した。

 佐々木の投球フォームで真っ先に目に留まるのが、胸元まで高々と上げる左脚だ。川村准教授は「これだけ脚を上げてもぐらつかない。そこが彼のすごい強みだ」と語る。193センチの大谷と同じように、佐々木は190センチの長身。しっかりと軸足に体重を乗せて、「規格外」の投球にパワーを蓄えている。

 体重移動も非常にスムーズだ。川村准教授は「股関節がよく動く。踏み出した足もぐらつかない。しっかりと止まり、お尻がぐっと上がるようにすることで、下半身の力が非常によくボールに伝わっていく。本当に理想に近い」と話す。

 ただ、上半身の使い方については、改善の余地はあるという。大谷の体重93キロと比較して、佐々木は80キロ台。まだまだ体の線も細い。川村准教授は「肘が上がってきてからのしなりがまだない。上半身のひ弱さみたいなのは目立っている。うまく鍛えていけば、さらに素晴らしいボールを投げられるんじゃないか」と語った。佐々木は17歳で、伸びしろは十分にある。

 145キロ以上のスピードボールを投げる投手は、ボールをリリースするときの動きに差が出やすいという。川村准教授は「(佐々木は)少ない腕の動きでも、リリースの効率がいい」と太鼓判を押す。

 大谷は日本ハム時代に、プロ野球最速の165キロをマークした。川村准教授は「大谷君より上にいくと思う。とてつもないポテンシャルがある。僕ら(研究者)から見ても、ここからどのくらい出せる選手になるんだろう、というのは楽しみ」と“異次元”の存在だと認めた。