#選挙に行かなきゃダメですか? 参院選 若者の本音 「投票はその場の雰囲気で」「親も行かない」

©株式会社熊本日日新聞社

 参院選が間近に迫る中、若者の政治離れや低投票率を懸念する声がある。若者は政治に興味があるのだろうか-。そんな疑問を持った熊日入社1~3年目の記者たちで取材班を作った。まずは10~20代の本音から。街頭アンケートに立つと、若者たちの“リアル”が見えてきた。

街頭アンケートで「参院選行く? 行かない?」と若者に尋ねる熊日の若手記者たち(左の2人)=熊本市中央区

 街頭アンケートは16、17日、熊本市中央区の中心市街地で実施。「参院選行く? 行かない?」と尋ね、A3判のボードの回答欄にシールをはってもらった。タピオカドリンクを味わう女子グループやデート中のカップル、スーツ姿の新社会人など、2日間で104人が答えてくれた。

 結果は「行く」43人(41%)、「行かない」25人(24%)、「分からない」36人(35%)だった。「行かない」よりも「行く」人の方が多かったのは予想外だったが、これまでの国政選挙の10代の投票率に近い割合となった。

 総務省によると、選挙権年齢が18歳に引き下げられた直後の2016年参院選は10代の投票率は46・78%で、20代(35・60%)と30代(44・24%)を上回った。だが17年の衆院選では40・49%に低下し、20代(33・85%)に続くワースト2となっている。

 衆院選では20代は約50年間にわたり、年代別の最下位が続いている。17年は20代の投票率はトップの60代(72・04%)の半分以下。ただ、若者だけでなく、全年代で投票率の低下傾向が続いている。

街頭アンケートで若者に尋ねる熊日の若手記者たち(右の2人)=熊本市中央区

 街頭で集まった声は、「若者」とひとくくりにできないほど多種多様だった。

 「行く」と回答した人は、「政治に意見を言うためには選挙に参加しないといけない」(23歳会社員・女)との積極的な意見の一方、「親に言われたから行くが、投票した人の当落は気にしない」(22歳会社員・男)、「入れる人はその場の雰囲気で決める」(19歳大学生・男)との声も目立った。

 「行かない」では、「わざわざ休みの日に行かなきゃいけないのが嫌だ」(18歳社会人・男)と日曜日の投票を理由に挙げる人が多かった。「若者に得がない」(22歳社会人・男)、「誰に入れても結果は変わらない」(23歳会社員・男)、「興味はあるが、自分の考えに沿う候補者がいない」(23歳公務員・男)など政治への期待感の乏しさも根強かった。

 「分からない」では、「親も行っていない」(18歳高校生・女)、「衆参の違いが分からない」(24歳会社員・女)、「参院選って何?」(18歳高校生・男)、など無関心さを感じさせる回答も少なくなかった。

      ◇

 若手記者企画「#選挙に行かなきゃダメですか?」では、街頭アンケートで寄せられた若者の本音に同世代の記者たちが向き合い、選挙の現状や課題を考えます。(この記事は、入社2年目の深川杏樹=23歳、志賀茉里耶=23歳、1年目の丸山伸太郎=23歳、平澤碧惟=22歳が担当しました)

2日間の街頭アンケートで集まった回答シール

 若手記者企画「#選挙に行かなきゃダメですか?」の街頭アンケートに寄せられた主な声は次の通り。

【参院選に行く】 「自分の将来のため」「政治に意見をいうために」…

  • 初めての選挙だから行く。候補者の人柄を見て決める=18歳男
  • 行かなきゃいけないものだとは思う。投票は街頭演説などで名前を何となく知っている人に入れる。(4月の)市議選には行った=23歳女
  • 自分の将来のために行く=18歳男
  • 親に連れられて行くが、候補者はよく分からない。時間があれば調べる=24歳女ほか
  • 税金を増やしてほしくないから=24歳女
  • 今のところ全ての選挙に行っている。家族が行くから=20歳女
  • 行ったことはないけど行ってみたい。でも投票に行ったことがないから選挙について何が分からないのか分からない。ツイッターとかで、年金がもらえないって聞いた。それに対する安倍さんの発言はおかしいな、と思った=20歳女
  • 大学の単発講義の中で、選挙のことを勉強した。せっかく選挙権持ってるなら行っとかんとって思う。4月の選挙(統一地方選)には行った=18歳男
  • 会社の人にこの人に入れた方がいいと言われたから=24歳女
  • 入れる人はその場の雰囲気で決める=19歳男
  • 候補者に知り合いがいるからその人に入れる。学校ではみんなに選挙に行こうと呼び掛けている=19歳男
  • 街頭演説などを聞いて、良さそうだなと思ったらその人に入れる。名前も聞いたことのない人には入れたくない=20歳女
  • せっかく選挙権あるし行った方がいい=18歳男
  • 行くべきかなとは思う。行くならインターネットで事前に情報収集してから行く。適当に入れるのは良くないと思う=18歳女
  • 行くのは当たり前。理由は深く考えたことはない。行くときは前もって候補者がどんなことを訴えているのか調べてから行く。消費税0%にするとか、実現できないようなことを言っている人には投票しないで、あとは消去法で決める=23歳男
  • 社会人になったので行こうかな=20歳男
  • ポスティングのチラシを見たり、ネットで調べたりする。でも政治家に対するイメージは良くない。ニュースを見ても議会では、やじの飛ばし合いをしていて、きちんと話し合いをしているように見えない。これだから政治家は、と思ってしまう=29歳女
  • 投票所が職場に近いから仕事のついでに行く。候補者など詳しくは知らない=23歳女
  • 会社ぐるみで投票するので行かないといけない=20代男
  • 親に言われるから行く。投票した候補者の当落は気にしない=22歳男、25歳女ほか
  • 政治に興味があるから=17歳男
  • 候補者に知り合いがいるので行く。投票結果も気にする=26歳女
  • 政治に意見を言うためには、選挙に参加しないといけないと思う。テレビやネットで、候補者を事前に調べる。政党より人を見て選ぶ=23歳女

【参院選に行かない】 「行ったところで意味がない」「意中の人いない」…

  • 選挙や政治に興味がない。わざわざ休みの日に行かなきゃいけないのが嫌だ。携帯で簡単に投票できるようになればいいのに=18歳男
  • 政治や選挙について興味がない。選挙があるのを知らなかった。知っていても行かない。候補者の誰に入れても結果は変わらないと思う=23歳男ほか
  • 選挙がよく分からないし、行ったところで意味がなさそう=18歳男
  • 忙しい。若者に得がない=22歳男
  • 時間が無い。休みにわざわざ外に出たくない。年寄りばかりに恩恵があって、年金を納めたところでどうせ将来もらえない=22歳女
  • 住民票が県外にあるから=19歳女ほか
  • 興味がない=18歳男ほか
  • 仕事の時間と合わない。期日前投票するほど行きたいとは思わない=19歳女
  • 参院選があることを知らなかったし、知っていても行かない。話題性があれば興味は持てるかもしれない=19歳女
  • 支持したい候補者がいない。選挙に興味はあるが、自分の考えに沿う候補者がいないので投票しない=23歳男
  • 周りに行けという人がいない。選挙権を持っても行く気はない。政治スキャンダルのニュースは見る=17歳女

【分からない】 「覚えていたら行くかも」「ネット投票あればなぁ」…

  • 政治家は言っていることとやっていることが食い違っている。信用できない=18歳男
  • 参院選自体よく分からない。選挙があることも知らなかった=18歳男
  • テレビを見ないから選挙があることも知らなかった。覚えていたら行くかも=23歳女
  • 興味がない=18歳男
  • 「参院選」ってなに?=18歳男
  • 友達はみんな行ってないと思う。おばあちゃんが行くのを見て、今日選挙あったんだと知る=20歳男
  • 誰が出ているのか分からない。ニュースも見ない。行くとしたらチラシのフレーズだけ見て決める=23歳女
  • 何の選挙があるのか知らない。明確に何のための選挙で、誰が出るのか分かるなら行く=17歳女
  • 誰に投票していいのか分からない=18歳女
  • 選挙があるのを知らなかった。掲示板とかで張り出されたら行く。期日前投票の仕方とか分からないから、選挙の日に忙しいと行けない。ネット投票ができれば時間がないときでも行けるんじゃないか=23歳男
  • 次が何の選挙か分からない=19歳男
  • 衆参の違いも分からない=24歳女
  • 投票所が自宅から遠い=23歳女ほか
  • 前回投票した時に何も効果を感じなかった=22歳女
  • 親も行っていない=18歳女ほか
  • 自分に関係がないので選挙について考えていない。関係があれば行くかも=23歳女
  • 選挙があるのを知らなかった。テレビも見ない=22歳女ほか
  • 親に言われなかったら行かない。行ってもその場で投票する人を決める=25歳女ほか

(2019年6月25日付 熊本日日新聞朝刊掲載)