全体1位指名のラッチマン 史上最高の契約金810万ドル

日本時間6月25日、今年のドラフトでオリオールズから全体1指名を受けた大型捕手、アドリー・ラッチマンがオリオールズと正式に契約を結んだ。関係者がMLB Pipelineのジム・キャリスに伝えたところによると、サインボーナス(契約金)は810万ドル。これは2011年のドラフトでパイレーツから指名され入団したゲリット・コール(現アストロズ)の800万ドルを上回る史上最高額である。

今年のドラフトで全体1位指名に与えられていた契約金スロットは841万5300ドルだったが、これをやや下回る金額での契約となった。なお、契約金の高騰を防止するためにスロット・マネーの制度が設けられて以降、全体1位指名の選手がスロット満額で契約した例はない。オリオールズは日本時間6月26日に本拠地オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズでラッチマンの入団記者会見を行う予定となっているが、この試合はマニー・マチャド(パドレス)がオリオールズ退団後初めてボルティモアを訪れる試合としても注目を集めている。

オリオールズのマイク・エリアスGMは、ドラフト当日の夜、「アドリー・ラッチマンをマイナーのどの階級でスタートさせればいいか決めるのは難しいね」と話していた。「彼は両打ちの捕手でパワーがあり、どちらの打席でもしっかり打つことができる。捕手という重要なポジションを守る選手だけど、必要であればどこでも守れるほどの身体能力を誇っている。我が球団にとって将来への希望だよ」とエリアスからラッチマンへの賛辞は止まらなかった。

ラッチマンはカレッジ・ワールドシリーズの最優秀選手に選出された2019年に、57試合で打率.411、17本塁打、OPS1.326という好成績をマーク。38三振に対して76個の四球を選び、アプローチ面も極めて成熟している。オリオールズはラッチマンの人間性と守備スキルを高く評価しており、守備スキルについては今すぐにでもメジャーで通用すると考えられているほど。打撃面でいかに早くプロのレベルに適応できるかが、メジャー早期昇格に向けてのカギとなりそうだ。

現在、メジャー最低の勝率.282に沈んでいるオリオールズ。チームは絶賛再建中だが、球団史上2人目の全体1位指名選手となったラッチマンには、オリオールズ新時代の中心を担う存在として大きな期待がかけられている。

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