空から謎の白い泡 通行人が騒然 横浜駅西口

横浜駅西口の上空を泡が舞う様子=2019年6月23日昼ごろ

 横浜駅西口周辺(横浜市西区)で23日昼ごろ、上空から白い泡がふわふわと舞うように降ってきた。今まで見たことのない不思議な光景に戸惑う通行人らで現場は一時騒然となった。その正体とは-。

 同駅西口から西に500メートルほど離れたアミューズメント施設「ハマボール」近くの川沿いで、そのシーンを記者も目撃した。白い泡はゴルフボール大。ぼたん雪のようにゆっくりと川の水面に降り、しばらく消えることなく漂っていた。

 横浜地方気象台の担当者は「海岸近くなら泡立った海水が強風にあおられて飛んでくる時はあるが、街中まで飛ぶというのは…」と首をかしげる。周辺を管轄する戸部署の担当者も「書類をひっくり返して確認したが、通報はなく、警察として取り扱っていない。どこかのイベントかな?」。

 泡立った海水か、イベントで使われた演出の一部か。ツイッターにも「謎の泡」といった書き込みが相次いだものの決め手がない。周辺の商業施設に手当たり次第確認すると、思わぬ「正体」にたどり着いた。

 「お騒がせして申し訳ありません。白い泡の件ですが…」。そう申し訳なさそうに話し始めたのは、近くの商業施設「横浜ビブレ」の運営会社の担当者だ。

 説明によれば、地下駐車場の消火設備用に準備していた泡消火剤の一部が雑水用の貯留タンクに誤って流入。屋上に設けられている空調関連設備にも循環されており、空気を含んで泡となって周辺に広がってしまった。

 「設備の管理を徹底し、再発防止に万全を期していきます」と担当者。現時点で健康被害の申し出はなく、消防にも報告済みという。

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