ガチャガチャで大人がほしくなる缶バッジとは

 札幌で人気じわり、地元ネタ「区民バッジ」

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区民バッジを手にする佐藤真実子さん

 札幌市内のショッピングセンターの一角に設置されたカプセル玩具販売機「ガチャガチャ」に、100円玉2枚を入れてレバーを回す。出てきたのは「区民バッジ」と銘打たれた缶バッジ。そこに書いてあるのは、札幌市民以外にはなんだかよく分からない短文だ。

 「ドリビ? 庭だよ。」「注意 小樽市手稲区ではありません」。

 「ドリビ」は札幌市手稲区に近接する小樽市の海水浴場「おたるドリームビーチ」の略称だ。手稲区民にとって「庭」のようになじみ深く、区内にあると誤解している人もいる。区民バッジは、こうした区民感覚を面白おかしく表現している。

 発案したのは、ガチャガチャのレンタル事業などを手掛ける「トーシン」札幌支店の佐藤真実子(さとう・まみこ)さん(30)。倉庫に眠っていた缶バッジ製造機を使って、オリジナル商品を企画してみるよう会社から命じられたのがきっかけだ。

 誰も作ったことがないバッジを―。佐藤さんはあえてターゲットを絞り、支店がある東区の住民のためのバッジ作りを提案。著作権フリーの画像を組み合わせたり、区のゆるキャラを用いたりするなどして全11種のデザインを手掛け、昨年11月に「東区民による東区民のための限定缶バッジ」の発売につなげた。

 

それから3日後には「最初に用意した分がほとんど売れていた」と宮本達也(みやもと・たつや)支店長(36)。ツイッターなどのSNSでも話題になった。1日当たりの売り上げが一般的なガチャガチャの約8倍に及ぶことも。「他の区でも売れるのでは」と手応えを感じたという。

 なぜ、区民バッジは区民に響くのだろうか。「どういうネタがいいか、その区に住む社員や知人に聞いて調査している」と佐藤さんは秘訣(ひけつ)を明かした。

 パート事務員だった佐藤さん、宮本支店長によると、同シリーズの功績で5月から正社員となった。

 6月末現在、札幌市内の東区、西区、手稲区、豊平区、白石区、北区の6区でバッジを発売した。区ごとに11~12種類を作製し、1個200円で販売。7月1日には、新たに清田区でも販売を開始する予定だ。残る3区も作ってほしいという声は大きく、佐藤さんは順次発売したいと考えている。いずれは「札幌市近郊や北海道内の主要都市でも、地元ネタのバッジを作れれば」と顔をほころばせた。(共同通信=鶴留弘章)