被災乗り越え再び全国へ 競泳・三宅選手(真備東中3年)

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岡山県選手権に臨んだ三宅琉暉選手=22日、児島マリンプール

 地元開催の全国大会出場から1年。西日本豪雨で被災した競泳の三宅琉暉(るき)選手(14)=倉敷市立真備東中3年=が、この夏も全国舞台を目指し練習を重ねている。競技を続けられる喜び、支えてくれた人への感謝…。心身ともにたくましさを増したスイマーは抱いてきた思いを胸に、一層の活躍を誓う。

 昨年8月の全国中学校大会(全中)会場となった児島マリンプール(倉敷市)で今月22、23日にあった岡山県選手権。三宅選手は自由形4種目に出場し、400メートルで高校生らを抑えて初優勝したほか、50メートル、100メートル、200メートルはいずれも県中学新記録を樹立した。被災直後には、とても想像できなかったことだ。

 豪雨が発生した7月6日夜は、家族4人で近くの高台に避難。自宅は1階の天井付近まで浸水した。全中予選を兼ねた県総体の1週間前で、「この先どうなるのか」と不安が募った。それでも総社市内のスイミングクラブの仲間に「一緒に頑張ろう」と励まされ、練習を続けた。県総体では400メートル自由形で上級生との勝負を僅差で制し、全国切符をつかんだ。

 生活の拠点は総社市のみなし仮設住宅に移っており、変わり果てた自宅の片付けに繰り返し戻った。気がめいることもあったが、連日スイミングクラブに通いながら「水泳ができることは当たり前じゃない」「家族や仲間に支えられている」と感じながら乗り越えてきたという。今年5月中旬には家族とようやく自宅に戻ることができた。

 競技面ではこの1年間に、泳ぎ込みによって「苦しい終盤にも粘れるようになった」といい、7、8センチ伸びた身長と同様に記録もぐいぐいと更新。昨夏の全中は予選29位に終わっており、今年の大会(8月17~19日・京都市)での表彰台を目標に据え、まずは出場権が懸かる県総体(7月13、14日・倉敷市)に挑む。

 「支援を必要とする真備の住民はまだ多い。自分の泳ぎが地域の人の励みになれば」。被災後の経験を力に変え、中学最後の夏へラストスパートに入る。