ローマ法王「平和活動続けて」 謁見した内山さんら会見

会見する高校生平和大使の内山さん(左端)や姜学院長(左から2人目)ら=諫早市、鎮西学院

 鎮西学院は25日、長崎県諫早市西栄田町の学院本部で会見し、高校生平和大使として19日にローマ法王に謁見(えっけん)した鎮西学院高2年、内山洸士郎さん(16)が法王の言葉を振り返り、平和への思いを語った。

 内山さんは広島県の平和大使とともにバチカンを訪れた。ローマ法王が11月に来日するのを前に、平和大使の活動や、母校が原爆で甚大な被害を受けたことも伝えた。法王は「平和活動を続けてください。私だけではなく神も世界平和を祈っています。原爆の惨状を忘れないで」と励ましの言葉を述べたという。

 平和大使は、8月にスイス・ジュネーブの国連欧州本部に核兵器廃絶の署名を届ける。内山さんは「昨年4月から高校生1万人署名に取り組んできて、被爆地長崎でも平和に無関心の人が多いと感じている。平和や核兵器が自分たちと隣り合わせの問題だと思ってもらえるよう努めたい」と抱負を語った。

 会見では姜尚中(カンサンジュン)学院長が、長崎原爆で長崎市宝栄町にあった旧校舎が廃虚と化し、140人を超える生徒と教職員らが犠牲となり、戦後、諫早市に移転した歴史を紹介。旧校舎があった現在の活水中・高を8月8日に出発し、現校舎にゴールする「平和大行進」を3年ぶりに実施すると説明した。行進には長崎ウエスレヤン大の学生や鎮西学院高の生徒、鎮西学院幼稚園の園児、卒業生や一般市民ら計約1500人の参加を見込んでいる。

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