ドライビングの楽しみを語ろう「FR車の魅力」(2) 日産・リーフFFの加速力と安全性

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日産リーフ(画像: 日産自動車)

■限界性能領域での安全性の確保  現在のクルマを運転する人々は、決して特殊な技術を持ち合わせている訳ではない。日常的に安全で便利であることが最優先課題であり、クルマの「走る限界」を知ることもない。

 だが現実には、自動車はすぐに限界性能を問われる事態になってしまう。例えば、急ブレーキだ。ブレーキをかけて、どのくらいの距離で停止できるのか(制動距離)は、事故になるかならないかを分ける重要な性能だ。濡れた路面や雪道でブレーキをかけてスリップした経験があるだろうか?コントロールが非常に難しいものなのだ。

■日産・リーフの加速力と安全性  また機会があれば、日産・リーフを全力加速してみよう。前輪が空転して、真っすぐに走ってくれないのが感じられるだろう。

 モーターの低回転域の高トルクは、スポーツカーよりも激しい加速を見せてくれる。しかし日産・リーフはFFであるため、急加速をした時、重心が後部に移動して前輪が浮いてしまうのだ。軽くなった前輪を強力なトルクで回してもタイヤの限界が来てしまい、空転して加速力にならないばかりか、左右に振れて危険なくらいになってしまう。実はこれが、FRが望まれる第一の理由だ。

■重心位置の問題  高性能の車は加速力が強く、どうしても前輪が空転して加速力がそがれてしまう。しかしそれだけではない。問題は旋回時だ。FF・FRでは、エンジンと言う、自動車の装備品としては最大の重量物をフロントに積んでいる。そのため旋回スピードが速い場合、どうしても遠心力によってフロントタイヤから外側に滑って限界が来てしまう。だから「アンダーステア」と呼ばれる、「ハンドルを切っても曲がってくれない」感覚が出る。しかし逆にこれは、限界性能の現象をつかみやすく、安全に対処できる方向なのだ。

 そこで、実用車の多くは「弱アンダー」の特性に調整されている。かなり素直なハンドリングであると感じても、ほとんど弱アンダーであるクルマが多数である。

 そしてこうした特性を決めるのが、車両の重心位置だ。特に、前後の重心位置を50:50に保つことにこだわっているのがドイツのメーカーで、ハンドリングに影響する重量配分に注意して設計されている。例えばフロントエンジンのクルマでも、ミッションを後部に置き、バッテリーを後部トランクルームに配置してでも、前後重量配分を50:50にしている。