<自然災害伝承碑>被災の記憶ネットで発信 国土地理院がHP掲載、岩手・宮城・福島の30ヵ所「防災学習の教材に」

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過去の災害を伝える石碑などの情報を掲載した地理院地図

 国土地理院はホームページの地域防災情報コーナー「地理院地図」で、岩手、宮城、福島3県7市町の計30カ所に点在する自然災害の記憶を刻んだ石碑や慰霊碑を掲載した。過去の被災状況を伝承する先人の知恵をネットで発信する初の試みで、災害への備えに役立ててもらう。

 地震や津波、洪水、土砂災害、火山災害に関する石碑や慰霊碑を「自然災害伝承碑」と名付け、今年3月に地図記号を新たに策定した。19日に3県の30カ所を含め、全国27都府県計158カ所の情報を公開した。

 東北では明治三陸地震(1896年)、昭和三陸地震(1933年)、東日本大震災(2011年)の被災地を対象に、岩手の宮古、釜石市、大槌町、宮城の石巻、多賀城、東松島市、福島の白河市の碑を紹介している。

 震災の津波で甚大な被害があった東松島市野蒜地区の地図には、市震災復興慰霊碑を表示。地図記号に合わせると、慰霊碑の画像や建立場所、被災内容を見ることができる。

 国土地理院は18年7月にあった西日本豪雨の被災地で、100年以上前の災害を伝える石碑の存在を多くの住民が気付かなかったことに着目。被害を軽減する取り組みを広げようと、碑の情報発信を企画した。

 国土地理院東北地方測量部の担当者は「自然災害が各地で起きており、地域の大切な教訓を伝えていくことが重要だ。防災学習の教材に活用してほしい」と説明。今後も被災自治体と連携し、掲載数を増やす方針。