危険な踏切、閉鎖求める 92歳死亡で逗子市長、JR東に

3月に高齢男性が電車にはねられて死亡した「山の根踏切」=逗子市逗子2丁目

 3月に横断中だった92歳の男性が電車にはねられて死亡したJR横須賀線山の根踏切(逗子市逗子2丁目)について、逗子市の桐ケ谷覚市長は26日、管理するJR東日本に対し、安全を優先して閉鎖するよう求めたことを明らかにした。

 踏切は歩行者専用で、全長35.5メートル、幅約2メートル。同線の上下線のほか、増結車両の留置用など複数の線路が走っている。周辺住民は逗子駅周辺などへの近道として利用する一方、遮断機や警報機が設置されておらず、「危険な踏切」として知られていた。

 26日の市議会第2回定例会の本会議で、橋爪明子氏(共産)が「利便性を考え、まずは市民が安心して横断できるよう安全対策が急務」と指摘。これに対し、市長は「あのままにしておくことはあり得ない。一部の市民の利便性は失われるが、安全を優先して閉鎖すべきと(同社に)申し入れた」と答えた。

 閉鎖の意向などを地域住民に説明し、意見を聞く機会を設けるかと問われ、市側は「管理主体のJRから住民への説明の要請があれば対応したい」とした。

 市都市整備課によると、事故後、市は同社に閉鎖の意向を伝えた。同社からは10年以上前から閉鎖に向けて相談されていたという。

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