川口さんの絵画など展示 7月1日まで「原爆と戦争展」 長崎市民会館

川口さんが描いた原爆直後の長崎の絵画などを通して戦争の惨状を伝える「原爆と戦争展」=長崎市民会館

 原爆や戦争の惨状をパネルや体験記などで伝える「原爆と戦争展」が26日、長崎市魚の町の市民会館展示ホールで始まった。約350点の展示の中で、15日に亡くなった被爆者の川口和男さん(90)が原爆投下直後の長崎などを描いた絵画8点が目を引いている。
 被爆者を中心とした市民団体「原爆展を成功させる長崎の会」(河邊聖子会長)など3団体が主催し、全国で開催。長崎市では15回目となる。
 川口さんは1945年8月9日、16歳の時に学徒動員先の川南工業香焼島造船所(当時、西彼香焼村)で原爆に遭った。この日、自宅がある同市御船蔵町の山から見た光景のスケッチを基にした作品も展示の中に含まれている。このほか、材木を重ねて犠牲者を焼いたり原爆投下前の米軍機の編隊も。すべて川口さんが生前、同展のために自ら選んだという。
 世話役の岡本太一さん(38)は「しっかり次の世代に受け継いでいくことが重要。特に若い人にきてほしい」と呼び掛けた。
 午前10時~午後7時(最終日は午後5時まで)。7月1日まで。無料。

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