最低賃金 時給1500円必要 長崎県労連、25歳モデルで試算

試算の内容を説明する中澤准教授(右から2人目)ら=県庁

 県労連は26日、若年単身世帯をモデルケースに、25歳の若者が生活するために最低限必要とされる「最低生計費」の試算を発表した。試算によると、最低生計費は年収約270万円(税金、社会保険料込み)。これをワークライフバランスに配慮した労働時間(月150時間)に換算し、最低賃金は1500円必要だと結論付けた。
 長崎市在住で大卒、社会人3年目の25歳をモデルケースに設定。3~5月に回収した県内の10~30代の単身世帯141人分のデータ、市内の商業施設などでの市場調査なども考慮し、静岡県立大短期大学部の中澤秀一准教授が試算した。
 現在、県の最低賃金は762円。全国最低の鹿児島県(761円)と1円差で、全国平均(874円)を100円以上も下回っている。中澤准教授は「賃金を理由に1人暮らしができない若者が多く、1人暮らしをしていても食費や医療費を切り詰めるなど、人間らしい生活が難しい。地方に若者を留めるには最低賃金を上げる必要がある」と述べた。
 県労連は今後、本県の最低賃金について話し合う長崎地方最低賃金審議会へ賃金引き上げを求める。

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