<参院選 いざ決戦>青森/敵地での得票に腐心

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 参院選(7月21日投開票)は4日の公示まで1週間となった。改選数各1の東北6選挙区では12人が立候補を予定する。老後資金2000万円報告書問題、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の調査ミスなど、争点が急浮上する中、自民、公明の与党と、統一候補を擁立する野党が激突する。各選挙区の焦点を追った。(6回続き)

 再選を狙う自民党現職の滝沢求に、立憲民主党が立てる野党統一候補で新人の弁護士小田切達が挑む。滝沢は青森県八戸市など南部地域が地盤で、小田切は津軽地域の同県弘前市出身。与野党対立の構図に青森県特有の地域バランスが絡み合う。

◎与党実績を強調

 今年相次いだ地方選を生かしたのは滝沢。4月の県議選や6月の知事選で、自民が推す候補者の街頭演説に立つなど精力的に活動し、県内を一巡し終えた。

 政権与党のメンバーである意義を前面に押し出し、経済成長など安倍政権の実績を強調。地方創生の推進などを公約に掲げ「雇用を創出し、人を呼び込み、地域の活性化を図る。全世代が安心して暮らせる社会をつくりたい」と訴える。

 県議や市町村議を多数抱える自民の強固な組織力を中心に、全県的に人気の高い知事三村申吾をはじめ、首長の多くも滝沢の支援に回る。県内の業界団体からも着々と推薦を取り付け、支持基盤を固める。

 懸念材料は県議選での自民重鎮2人の落選。各選挙の陣頭指揮を執ってきた2人が地盤とした津軽地域で、集票を維持できるか。県連関係者は気をもむ。

 滝沢は「津軽での浸透が、まだ足りない」と危機感を抱く。選対本部長で自民県連会長の衆院議員(比例東北)江渡聡徳も「大変厳しい戦いが予想される」と気を引き締める。

◎「安倍1強」批判

 小田切は街頭演説を中心に知名度向上を図る。安倍1強をターゲットに、批判票を取り込む算段。「アベノミクスで一部の富裕層が豊かになっただけ。青森に恩恵はない」と繰り返す。

 立民の組織が比較的弱い八戸市では、国民民主党が戦いを主導。2016年の参院選で、野党統一候補として自民候補を破った参院議員(非改選)の田名部匡代が「3年前の再現を目指そう」と呼び掛ける。

 合同選対本部長を務める立民県連代表の山内崇は「敵地、南部での得票が重要だ」と強調。14日には立民代表の枝野幸男が八戸入りし、てこ入れを図った。

 公認候補を取り下げた共産党も積極的に支援。23日には同党衆院議員(比例東北)の高橋千鶴子と小田切が並んで街頭に立った。

 各党が共闘の難しさを抱える。国民県連代表の田名部は「選挙区は立民を推すが、わが党の比例得票と、うまく連動させられるか」と苦悩する。社民党県連代表の三上武志は「比例で得票できなければ、党は崖っぷちに立たされる」と危機感をあらわにする。 (敬称略)