平屋へ再建、被災の真備で目立つ 費用抑え、避難も素早く

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倉敷市真備町地区で建設が目立つ平屋の住宅=同町箭田

 西日本豪雨で甚大な浸水被害を受けた倉敷市真備町地区で、全半壊した自宅を平屋に建て替えるケースが目立っている。豪雨では犠牲者の多くが1階に取り残されたにもかかわらず、上階への「垂直避難」ができない平屋にするのはなぜか―。

 「子どもが巣立ち、夫と2人なら十分な広さ。費用も抑えられる」。真備町地区の女性(70)は、全壊した2階建ての自宅を平屋に建て替えた理由をこう語る。倉敷市真備支所も「詳しい軒数などは不明だが、被災前より平屋が圧倒的に増えている」とし、とりわけ高齢世帯で目立つという。

 豪雨で真備町地区の犠牲者は51人(関連死を除く)。このうち65歳以上の高齢者は45人に上り、多くは自宅1階で発見された。体が不自由などの理由で垂直避難が困難だった可能性もあり、素早く安全な場所に移動する「水平避難」がより重要との指摘もある。

 平屋での再建を選んだ真備町地区の女性(72)は豪雨の際に避難が遅れ、間一髪で逃げ延びたという。「今度は必ずすぐに逃げる。同じように平屋にしたご近所ともそう話し合っている」