長崎県雲仙市南串山町の松本安男さん(86)が育てるユリ科のカサブランカが、大輪の花を咲かせ始めた。ユリは合併前の旧町時代の町花で、「一面花畑だった南串山町の歴史を知ってほしい」と、地元小中学校や福祉施設に毎年提供している。
松本さんは旧南高南串山町長。松本さんによると、戦前から戦後にかけて同町ではテッポウユリの栽培が盛んで、毎年夏ごろになるとユリの花と香りが町内を包んでいたという。いつしか生産効率のいいジャガイモやタマネギに移行し、満開のユリ畑は姿を消した。
懐かしさもあって、約20年前からテッポウユリに似ているカサブランカの栽培を始めた。今年は約50鉢が順調に成長し、紫と黄色は見ごろを迎えた。白は7月上旬ごろから咲き始めそう。松本さんは「子どもらに喜んでもらうのが一番。まちの歴史を知って、地元を好きになってほしい」と目を細めた。
思い出のカサブランカ咲く 旧南串山の町花
- Published
- 2019/06/28 00:02 (JST)
- Updated
- 2020/04/30 10:45 (JST)
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