各国首脳が集まるG20大阪サミットを控えて、大阪市内で香港から中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を求めるデモ活動が起きている。27日夜には繁華街ミナミで街頭集会「香港の自由と民主主義を守る行動」が開かれた。SNSなどの呼びかけで集まった、香港の留学生ら数十人が「フリー香港」とそれぞれの思いを訴えた。雨が降る中、マスクなどで顔の一部を隠した参加者は香港特別行政区の旗や「反送中(中国送り反対)」などのプラカードを持ち、香港政府が反対デモを暴力的に制圧したことへの批判と行政長官の辞任などを求める声明を読み上げた。聴衆から「香港がんばれ」と声が飛ぶと「ありがとうございます」と返す一幕も。
参加した男性は「香港政府は(デモに参加した)200万人の反対の意思を聞かず条例を進めたいのだろうが、ここでの訴えをG20の会場まで響かせたい」と力を込めた。28日には香港独立派の陳浩天氏が来日して、日本外国特派員協会で現地の情勢と自身の主張を語った。6月になって、東京・渋谷でも条例改正案に反対する香港の動きに呼応して日本人を中心とするデモ活動も行われている。香港警察の強硬策に反発して今回、香港では多くの市民が抗議活動にかかわっている。当局の規制を見越してマスクで顔を覆ったり、秘匿性の高いメッセージアプリ「テレグラム」を利用するなど工夫も重ねている。
G20後に香港当局、中国側がこれまでの市民活動にどう対応して香港の人たちにいかに向き合っていくか注目される。(共同通信47NEWS編集部)
【大阪ミナミ 街頭集会「香港の自由と民主主義を守る行動」】
【逃亡犯条例」改正案の完全撤回を求める参加者】
【来日した香港の若手活動家】
【香港では在外公館にも働きかけ】
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