日本マイクロソフト、JR東日本など スマートシティ実現に向けた新たな社会インフラ構築を目的に「Blockchain」を活用した実験の実施

日本マイクロソフト株式会社(以下、日本マイクロソフト)は Hackfest という短期集中型のトライアル開発の場を提供して、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社 JR 東日本情報システム、みずほ情報総研株式会社と協力し、Blockchain を活用した、サブスクリプションモデルにおける移動や各種サービス利用に関わる個人データの改ざんと漏洩防止のメカニズムを備えた新たなテスト基盤を構築した。

本実験は、オープンデータやオープン API への取り組みといった交通分野での新たな動きの中で、企業の垣根を越えた社会インフラを創出することを目指し、2019年1月21日から2月8日までの期間に実施した。

今回の検証では、すべての人が検索~予約~支払を一度に行え、かつ移動に関わる周辺サービスも利用できる基盤をテスト構築した。今回、「旅行者がいつ、どの交通機関を利用したか」等の個人データの改ざんと漏洩を防止し、金融機関と接続して行う支払いの透明性を担保するために Blockchain 技術を活用した。また、主要な運輸業者だけでなく、移動に関わる周辺サービスを提供する事業者にとって参加が容易となるようなアーキテクチャーの実装を実現している。

社会インフラ基盤には、格納されているデータに対する高い信頼性と共に、スケーラビリティや柔軟なインテグレーション特性、および高い管理性などが要求される。今回の検証では4社の技術やノウハウ、サービスを集結し 1つのチームとして開発を行うことで、これらの要求に応える基盤を Microsoft Azure 上にテスト構築し、その有用性を確認することができた。この検証結果を踏まえて、例えば将来の MaaSにおける有効活用等も検討する予定。

日本マイクロソフトは今後、スマートシティの実現に向けた取り組みを推進するとともに、ICT による新たなプラットフォームを模索することで、SDGsでもうたわれるすべての人に安全で持続可能かつ容易に利用できる社会インフラの実現を目指す。

■ 実証実験の内容について

当検証では、Blockchain 技術や Microsoft Azure の機能を用いて実験を行った。

(1) 利用者の利用履歴の透過性と秘匿性: 利用者の移動履歴はすべての参入事業者が検証可能です。ただしそれらによって特定の個人の行動履歴が予測できてしまうことのないようハッシュ化された状態で保存されている。

(2) 容易で安価な事業参入: 新規事業参入のために特殊な機材を購入したりアプリケーションを作成することなく、コンソーシアム型の Blockchain ネットワークに参加することができる。また、チケットを読み取るためのアプリケーションはスマートフォンでも動作可能であるため、初期の導入コストを低く抑えることができる。

© 株式会社自動車新聞社