岩戸養護学校 なぜ給食なし? 調理室整備など検討へ

神奈川県庁

 特別支援学校で1校だけ給食が出されていないのはなぜか-。そんなやりとりが27日、県議会の文教常任委員会であった。県立岩戸養護学校(横須賀市)の現状を公明党の鈴木秀志氏が取り上げ、県教育委員会に改善を求めた。

 県教委によると、学校給食が提供されていない県立の特別支援学校(分教室除く)は同校以外に、県立こども医療センター内に設置されている横浜南養護学校(横浜市南区)があるが、病院食が提供されている。

 岩戸養護学校は高等部単独で、知的障害のある生徒142人と肢体不自由の生徒10人が在籍。県立高校の統廃合で閉校した校舎をほぼそのまま活用しているため、調理室はない。「入学時に保護者に説明しており、給食を求める声がなかなか上がらなかった」(県教委)という。

 肢体不自由の生徒には外部業者から冷凍された介護食を配送してもらい、校内で再加熱して給食として提供。だが数量の確保などが難しいため、知的障害の生徒は弁当を持参するか、近くの福祉事業所に「仕出し弁当」を注文している。カレーライスと焼きそばの2種類のみで、多い日で20食程度の注文があるという。

 鈴木氏は食育や栄養、地域差の観点から「教育は平等であるべきだ」と指摘。県教委の青木弘支援部長は「食は子どもたちにとって大切だ」と強調し、老朽化した他校も含めた調理室の整備やデリバリー方式での給食などを視野に検討していく考えを示した。

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