書店チェーン大手・文教堂 事業再生ADR利用を申請

 書店チェーン大手の文教堂グループホールディングス(川崎市高津区)は28日、私的整理の一種である「事業再生ADR」を第三者機関に申請し、受理されたと発表した。出版不況の影響で業績が悪化していた。

 同社は1949年の設立以降、書店・雑誌小売りを中心に書店チェーン「文教堂」を展開しているが、ネット通販やデジタルコンテンツの普及により、主力である書籍、雑誌の販売不振が続いている。

 2013年8月期以降は、17年8月期を除いて赤字が続き、18年8月期には約2億3千万円の債務超過に陥った。その結果、東京証券取引所から上場廃止に関わる猶予期間入りの指定を受けていた。

 同社はこの間、不採算店舗の閉店などで経営改善を図ってきたが「これまでの取り組みだけでは債務超過の解消は困難」と判断。8月末時点で債務超過が解消されなければ原則として上場廃止になるが、再生計画の策定などで上場維持を目指すとしている。

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