2泊3日ならここまで行けるぞ!北海道・東北の登山プラン 日帰りでは行けない場所で見た景色、夜に見た満天の星空、朝に見た朝焼けの色…登山泊でしか味わえない感動。2泊すればさらにその感動はぐんぐん増していきます。憧れの山にも行けるかも!? 今回は、そんなレベルアップを目指す人におすすめの北海道・東北エリアの2泊3日登山プランをご紹介。さあ、まだ見ぬ感動の世界に足を踏み出してみませんか?

1泊はしたことあるけれど…

日常生活の場から離れて「そこにしかない景色とそこでしか感じられない気分に浸れること」は泊り登山の醍醐味の一つ。しかし、山で1泊したことはあっても、2泊以上は未経験の方も多いのではないでしょうか?2泊3日での山行には、日帰り登山や1泊2日登山とは違った魅力があるんです!

2泊3日の魅力①移り変わる景色が楽しめる

当然ですが、日数が増えれば登れるエリアは増えます。つまり、日帰りや1泊では行けない場所に行けるということ。
あまり人が訪れない場所であれば「到達する満足感」は大きく、また「複数のピークを踏める達成感」も味わうことができます!

2泊3日の魅力②時間にも気分的にも余裕ができる

頑張れば1泊で回れる縦走も、2泊すれば時間に余裕ができます。その時間があれば…ゆっくり高山植物を観察したり、ちょっと凝った山ごはんにチャレンジしたり、1泊ではできなかったことができるだけでなく、新たな発見もあるかもしれません。
また、初日の天気が悪くても、2泊なら「明日があるさ!」とチャンスは2倍になります。心から登山を楽しむ余裕も出てくるのが2泊登山の魅力のひとつです。

宿泊方法は計画段階で確認

(大雪山黒岳石室とテント指定場)

宿泊はもちろん山小屋(避難小屋)泊かテント泊。山小屋の近くにはテントができるサイトが併設されている場合が多いです。
山域によっては山小屋がない場合や、逆にキャンプが禁止されているところも。計画を立てる時点で「山小屋はあるのか?キャンプはできるのか?」この点にも気をつけることがポイントです。

北海道エリアと東北エリアの2泊3日プランをご紹介!

北海道といえばなんといってもスケールの大きさ。広大なお花畑、360°見渡せる解放感あふれる頂上からの景色、数多くの野生動物、そんな大自然を楽しめるプランを考えました。
東北には2泊3日といった長い縦走ができるところはそんなに多くはないのですが、今回は百名山を中心に、穏やかな稜線をたどりながら複数の山に登頂できるプランをご紹介します!

地の果ての秘境を満喫!羅臼岳・硫黄山縦走プラン

(硫黄山への険しい縦走路)

日本最後の秘境と呼ばれる知床。日本百名山のひとつ「羅臼岳」と最果ての活火山「硫黄山」を制覇する、太平洋とオホーツク海、そして広大な大自然を眺めながらの2泊3日の縦走旅です。数々の高山植物を見られる羅臼岳と今も噴煙を上げる荒々しい姿の硫黄山。2つの対照的な山容を一度に楽しめるのもこのプランの特徴です。

コース情報

  • 全行程距離: 22.3km
  • トータルコースタイム: 16時間25分(休憩込み)

■1日目:岩尾別温泉から入り、花の山「羅臼岳」に登頂してから三ツ峰キャンプ指定場へ

  • 行程距離: 8.5km
  • コースタイム: 7時間10分(休憩込み)
  • 宿泊地: 三ツ峰キャンプ地

岩尾別温泉→(1時間)497m地点→(50分)弥三吉水→(1時間)銀冷水→(30分)1174m地点→(35分)羅臼平→(25分)標識 →(35分)羅臼岳→(25分)標識→(20分)羅臼平→(40分)三ツ峰キャンプ指定地(宿泊地)

■2日目:花の山から次第に荒々しくなる稜線を進み、第一火口キャンプ指定地へ。

  • 行程距離: 8km
  • コースタイム: 6時間45分(休憩込み)
  • 宿泊地: 第一火口キャンプ地

三ツ峰キャンプ指定地→(50分)1538m地点→(1時間)オッカバケ岳→(20分)二ツ池キャンプ地→(1時間)南岳→(1時間10分)知円別岳→(1時間15分)1510m地点→(30分)第一火口キャンプ指定地(宿泊地)

■3日目:荒涼とした硫黄山に立ち、カムイワッカの滝付近の硫黄山登山口へ下山

  • 行程距離: 5.8km
  • コースタイム: 4時間50分(休憩込み)

第一火口キャンプ指定地→(30分)1510m地点→(10分)1485m地点→(5分)硫黄山→(5分)1485m地点→(1時間20分)沢出合→(1時間)新噴火口→(30分)展望台→(20分)硫黄山登山口

見どころ

羅臼岳は花の百名山にも登録されている花の山。6月中旬~7月上旬には固有種のシレトコスミレがみられるかも。特に2日目は右手に太平洋、左手にオホーツク海を見ながらの稜線歩き。狭くて気が抜けないところもありますが、山なのに海を渡っている不思議な感覚も味わえますよ。

宿泊情報

■三ツ峰キャンプ指定地(1日目)

晴れていると周りの山々(名前は3つの峰を見られることに由来しているとか)を眺められる気持ちのいいキャンプ指定地。雪解け水が豊富ですが、8月には涸れることもあるのでご注意を。
三ツ峰キャンプ指定地(ヤマレコ)
■第一火口キャンプ指定地(2日目)

火口の中のくぼんだ所がキャンプ地。地面は礫でごろごろとした状態なのでマットは必須。残雪が豊富にありますので、夏でも雪解け水が豊富なのがうれしいですね。

※硫黄山は現在は落ち着いていますが、活動中の火山です。事前に火山情報を確認することをお勧めします。
知床硫黄山火山活動情報(気象庁ホームページ)

スケールの大きさを実感!大雪山・トムラウシ山縦走プラン

(トムラウシ山から眺める大雪山)

北海道の屋根と呼ばれる大雪山。日本百名山に指定されている「大雪山」はいくつかの山の総称。今回はその中でも北海道で一番高い山「旭岳」と3番目に高い「白雲岳」に登り、さらにもう一つの百名山「トムラウシ山」を制覇する2泊3日の縦走旅。距離が長いですが、その分カムイミンタラ(アイヌ語で「神々の遊ぶ庭」)の雄大な景色や広大なお花畑を眺められ、スケールの大きさを実感できるのがこのプランの魅力です。

コース情報

  • 全行程距離: 44.9km
  • トータルコースタイム: 26時間20分(休憩込み)

■1日目:ロープウェイを使って旭岳へ。広大なカルデラ「お鉢平」を眺めながら白雲岳を経由して白雲岳避難小屋へ。

  • 行程距離: 12.0km
  • コースタイム: 8時間10分(休憩込み)
  • 宿泊地: 白雲岳避難小屋

ロープウェイ姿見駅→(20分)姿見の池→(2時間30分)旭岳→ (1時間)間宮岳分岐→(50分)北海岳分岐→(1時間20分)白雲岳分岐→(40分)白雲岳→(30分)白雲岳分岐→(20分)白雲岳避難小屋(宿泊地)

■2日目:これから目指すトムラウシ山を眺めていくつもの広大なお花畑を歩きながら、ヒサゴ沼避難小屋へ。

  • 行程距離: 16.6km
  • コースタイム: 8時間45分(休憩込み)
  • 宿泊地: ヒサゴ沼避難小屋

白雲岳避難小屋→(1時間)高根ヶ原分岐→(2時間)忠別沼→(50分)忠別岳→(50分)忠別岳避難小屋分岐→(1時間)五色岳→(1時間15分)1897m地点→(15分)化雲岳→(15分)ヒサゴ沼分岐→(50分)ヒサゴ沼避難小屋(宿泊地)

■3日目:日本庭園やロックガーデンを楽しみながら憧れのトムラウシ山に登頂後、トムラウシ温泉へ下山

  • 行程距離: 16.2km
  • コースタイム: 9時間25分(休憩込み)

ヒサゴ沼避難小屋→(35分)1793m地点→(30分)天沼→(1時間30分)北沼分岐→(25分)トムラウシ山→(15分)トムラウシ分岐→(1時間30分)前トム平→(35分)コマドリ沢分岐→(1時間35分)カムイ天上→(50分)温泉コース分岐→(1時間20分)トムラウシ温泉

見どころ

北海道のてっぺん旭岳からの景色を楽しんだあとはお鉢平へ。大雪山が火山であることを思い出させてくれます。2日目がスケールの広さを一番実感できるコース。花や沼、広がる景色などの神秘的な山の世界を堪能しながら歩めます。3日目の憧れのトムラウシ山からは初日の旭岳も眺められ、歩いてきた距離を実感できますよ。

宿泊情報

大雪山にはプランで紹介している場所以外にも多くの避難小屋やキャンプ指定場があります。時間や体力を考慮して選んでください。
避難小屋・キャンプ場・野営場(大雪山国立公園連絡協議会ホームページ)

■白雲岳避難小屋(1日目)

大雪山の広さを実感できるロケーションに位置する避難小屋。キャンプ場も隣接しているので、テント泊も可能です。小屋は60人収容で、テント場も広々としています。
白雲岳避難小屋(ヤマレコ)

■ヒサゴ沼避難小屋(2日目)

化雲岳を超え、分岐を下って現れるヒサゴ沼を見下ろす場所にある避難小屋です。収容人数が多くなく、湖畔にキャンプ野営地もありますのでテントがあると安心。キツネがよく出没するので水は煮沸するのをお忘れなく。
ヒサゴ沼避難小屋(ヤマレコ)

※2019年6~9月は改修工事が予定されています。その間は使用できません(キャンプ場含む)ので注意をしてください。代替地として以下の避難小屋、キャンプ指定場を利用してください。
ヒサゴ沼避難小屋改修工事について(十勝総合振興局公式ホームページ)
南沼キャンプ指定地(ヤマレコ)
忠別岳避難小屋(ヤマレコ)

「北海道の背骨」日高を制覇!カールが残る難関百名山幌尻岳プラン

(七つ沼カールと幌尻岳)

北海道の背骨と呼ばれる日高山脈。その日高山脈の最高峰である「幌尻岳」は最難関日本百名山のひとつで簡単に登頂できる山ではありません。時間をかけて登頂することで、氷河時代の名残でもあるカールも十分に楽しみ、戸蔦別岳と北戸蔦別の山々も登頂できる縦走旅です。視界が広がる稜線歩きを堪能できるのもこのプランの醍醐味です。

コース情報

  • 全行程距離: 26.9km
  • トータルコースタイム: 22時間40分(休憩込み)

■1日目:奥幌尻橋から入って数回の渡渉を行い、日高の山々を眺められる北戸蔦別岳へ。

  • 行程距離: 11.0km
  • コースタイム: 9時間10分(休憩込み)
  • 宿泊地: 北戸蔦別岳山頂下

奥幌尻橋→(2時間30分)北海道電力取水施設→(2時間10分)幌尻山荘→(40分)六ノ沢→(3時間)幌尻山荘分岐→(50分)北戸蔦別岳(宿泊地)

■2日目:長く気持ちのいい稜線を歩きながら北戸蔦別岳、七つ沼カール、そして幌尻岳を楽しみ、幌尻山荘へ。

  • 行程距離: 8.2km
  • コースタイム: 9時間10分(休憩込み)
  • 宿泊地: 幌尻山荘

北戸蔦別岳→(40分)幌尻山荘分岐→(30分)戸蔦別岳→(3時間30分※七つ沼カールに立ち寄る場合)肩→(1時間)幌尻岳→(10分)新冠コース分岐→(1時間30分)命ノ水→(1時間20分)幌尻山荘(宿泊地)

■3日目:最難関百名山を制覇した余韻に浸りながら、この山行のスタート地点の奥幌尻橋へ

  • 行程距離: 7.7km
  • コースタイム: 4時間20分(休憩込み)

幌尻山荘→(2時間)北海道電力取水施設→(2時間20分)奥幌尻橋

見どころ

最難関百名山といわれる所以を感じられる渡渉が1日目の前半に。緊張感が走ります。1日目は日高の広大な景色を眺めながらのテント泊。2日目は今回のメインの七つ沼カールと幌尻岳を満喫。特に七つ沼カールでは、自然の偉大さを感じるとともに、まるで天空の別世界にいるような気分に浸れます。

宿泊情報

■北戸蔦別岳山頂下(1日目)

多少の岩はあるものの比較的平らなスペースがあります。風が吹くと遮るものがないのでしっかりと設置しましょう。また、水場等はありませんので、飲料水の確保はしっかりと。
■幌尻山荘(2日目)

幌尻岳登山の貴重な基地ともなっている幌尻山荘。シーズンになれば、幌尻岳の登山前後の登山客でかなり混雑します。情報収集にもいいですね。完全予約制になっているので、事前に予約を忘れずに。
幌尻山荘(幌尻岳施設予約システム)幌尻山荘(ヤマレコ)

開放感あふれる稜線とお花畑を満喫!飯豊連峰縦走プラン

(飯豊本山山頂から)

雄大な稜線歩きが楽しめることで有名な飯豊連峰。日本百名山のひとつ「飯豊山」と飯豊連峰最高峰の「大日岳」を楽しむ2泊3日の縦走旅。飯豊山は花の百名山にも選定されており、固有種のイイデリンドウを中心に可憐な高山植物も楽しめる山。稜線に出るまでは険しい部分もありますが、稜線に出ればそこは別世界!このギャップを楽しめるのもこのプランの特徴です。

コース情報

  • 全行程距離: 35.3km
  • トータルコースタイム: 25時間16分(休憩込み)

■1日目:鎖場や梯子がある岩場を超え、解放感あふれる稜線へ入ります。三国岳を制覇したあと切合小屋へ。

  • 行程距離: 9.2km
  • コースタイム: 7時間50分(休憩込み)
  • 宿泊地: 切合小屋

川入→(50分)ゲート →(10分)568m地点→(2時間50分)横峰小屋跡→(40分)1448m地点→(1時間30分)三国岳→(1時間45分)1747m地点→(5分)切合小屋(宿泊地)

■2日目:百名山である飯豊本山、飯豊連峰最高峰の大日岳を制覇し、雄大な景色を堪能したあとは、本山小屋へ。

  • 行程距離: 14.8km
  • コースタイム: 9時間41分(休憩込み)
  • 宿泊地: 本山小屋

切合小屋→(2時間11分)本山小屋→(20分)飯豊山→(1時間30分)御西小屋→(2時間)大日岳→(1時間40分)御西小屋→(1時間40分)飯豊山→(20分)本山小屋(宿泊地)

■3日目:穏やかな稜線の別世界を楽しんだ後は、気を抜かずに急峻な来た道を戻って川入へ。

  • 行程距離: 11.4km
  • コースタイム: 7時間45分(休憩込み)

本山小屋→(1時間30分)切合小屋→(5分)1747m地点→(2時間40分)1448m地点→(40分)横峰小屋跡→(1時間50分)5568m地点→(10分)ゲート→(50分)川入

見どころ

1日目は気持ちのいい稜線旅の前の試練に感じられるかもしれません。しかし、花の山の名にふさわしい高山植物を愛でながら乗り越えるとそこは別世界。2日目はその稜線を思いきり楽しみながら道を進みましょう。目的の山々だけでなく朝日連峰を眺めることもできます。3日目は今までの稜線歩きを懐かしみながらの下山になることでしょう。

宿泊情報

■切合小屋(1日目)

7月初旬〜10月初旬は管理人が常駐するテント場や水場もある避難小屋。名物夕飯のカレーライスはなんと食べ放題!これからの長旅に備えて、エネルギーを蓄えておきたい人にはぴったりです。
飯豊連峰「切合小屋」 管理人HP切合避難小屋(ヤマレコ)
■本山小屋(2日目)

見晴らしのいいロケーションが自慢の山小屋。運が良ければ日本海に沈む夕日や朝の雲海も眺められます。広いテント指定場も併設されており、テントでの宿泊も可能です。
本山小屋(ヤマレコ)

稜線は続くよどこまでも…朝日連峰縦走プラン

(朝日連峰を流れ落ちる雲海)

日本百名山のひとつ「朝日岳」は最高峰の大朝日岳を中心とした複数の山々を総称したもの。また、二百名山のひとつ「以東岳」も登頂しながらのすがすがしい稜線歩きが満喫できる2泊3日の縦走旅です。とにかく稜線がず~っと続くので稜線マニアにはたまりません。また、ヒメサユリやハクサンイチゲなどの数々の高山植物も見られる花の旅になるのも魅力的。

コース情報

  • 全行程距離: 35.3km
  • トータルコースタイム: 19時間57分(休憩込み)

■1日目:泡滝ダムから入り、吊り橋や渓谷を通りながら森林浴を楽しみ、大鳥小屋へ。

  • 行程距離: 6.6km
  • コースタイム: 3時間(休憩込み)
  • 宿泊地: 大鳥小屋

泡滝ダム→(1時間15分)七ツ滝沢橋→(1時間45分)大鳥小屋(宿泊地)

■2日目:急登をクリアした後は感動の眺望!大朝日岳に続く雄大な稜線歩きを楽しみながら竜門山避難小屋へ。

  • 行程距離: 12.9km
  • コースタイム: 8時間17分(休憩込み)
  • 宿泊地: 竜門山避難小屋

大鳥小屋→(3時間)オツボ峰→(40分)以東岳→(2時間10分)狐穴小屋→(37分)北寒江山→(20分)寒江山→(1時間30分)竜門山避難小屋(宿泊地)

■3日目:西朝日岳を越え大朝日岳に立ち、今まで歩んできた道や山々を眺めたあとは、朝日鉱泉に下山

  • 行程距離: 15.7km
  • コースタイム: 8時間40分(休憩込み)

竜門山避難小屋→(15分)竜門山→(1時間10分)西朝日岳→(1時間30分)大朝日小屋→(15分)大朝日岳→(10分)大朝日小屋→(1時間20分)小朝日岳→(1時間20分)鳥原山→(1時間20分)水場→(1時間20分)朝日鉱泉

見どころ

1日目は短いですが、これからの長い稜線歩きに備えて森林浴でリラックス。2日目はどこまでも続く稜線歩き。アップダウンももちろんありますが、咲き乱れる高山植物が目を楽しませてくれます。そして3日目は朝日連峰の最高峰、大朝日岳へ。今まで歩んできた道や山々が眺められ、これまでの長旅を振り返ることができるのもこのプランの魅力です。

宿泊情報

■大鳥小屋・タキタロウ山荘(1日目)

漫画『釣りキチ三平』に出てくる怪魚タキタロウが棲むと言われている大鳥池のほとりに立つ山小屋。朝日連峰で唯一のテント場を併設。朝日連峰ではここ以外でキャンプをすることは禁止されていますのでご注意を。
大鳥池タキタロウ山荘(ナチュラリストの家 朝日鉱泉ホームページ)大鳥小屋(タキタロウ山荘)(ヤマレコ)
■竜門山避難小屋(2日目)

竜門山を下ったところ位置する避難小屋。天気がよければ稜線をシルエットにした感動的な夕日も。遠くには東北の名峰月山を眺めることができます。テント泊は禁止されていますので注意してください。
竜門山避難小屋(ナチュラリストの家 朝日鉱泉ホームページ)竜門山避難小屋(ヤマレコ)

湿原と沼が点在する八幡平・奥羽山脈最高峰の岩手山縦走プラン

(紅葉の八幡平から岩手山を望む)

日本百名山のひとつ「八幡平」は複数の火山から成る高原。そしてもう一つの百名山「岩手山」は奥羽山脈の最高峰。この2つの違った山容を一度に楽しめる2泊3日の縦走旅。初夏は高山植物、秋は見事な紅葉を楽しめることに加え、景色や稜線歩き、湿原など多彩な体験が一度に楽しめるロングトレイルです。

コース情報

  • 全行程距離: 40.3km
  • トータルコースタイム: 19時間30分(休憩込み)

■1日目:茶臼口から入り、点在する湿原や沼を楽しみながら八幡平を抜け、大深山荘へ

  • 行程距離: 15.9km
  • コースタイム: 8時間18分(休憩込み)
  • 宿泊地: 大深山荘

茶臼口→(50分)茶臼山荘→(10分)茶臼岳→(10分)茶臼山荘→(40分)黒谷地湿原→(40分)安比岳分岐→(15分)源太森→(40分)八幡平→(30分)八幡平登山口→(20分)裏岩手連峰登山口→(20分)1517m地点→(14分)畚岳→(9分)1517m地点→(1時間)1511m地点→(40分)前諸桧→(40分)嶮岨森→(1時間)大深山荘(宿泊地)

■2日目:高山植物や紅葉を満喫しながらの稜線歩きのゴールは、岩手山のふもとにある八合目避難小屋

  • 行程距離: 16.6km
  • コースタイム: 10時間21分(休憩込み)
  • 宿泊地: 八合目避難小屋

大深山荘→(25分)1527m地点→(10分)大深岳→(15分)八瀬森分岐→(1時間)小畚山→(1時間10分)三ッ石山→(30分)三ッ石湿原→(2時間)1333m地点→(1時間36分)姥倉山分岐→(30分)切通→(2時間30分)不動平避難小屋→(15分)八合目避難小屋(宿泊地)

■3日目:高さを感じられる岩手山に登った後は、火山の名残である溶岩道をとおり焼走り登山口へ

  • 行程距離: 8.3km
  • コースタイム: 4時間46分(休憩込み)

八合目避難小屋→(15分)不動平避難小屋→(50分)岩手山(薬師岳)→(31分)茶臼岳→(40分)ツルハシ分れ→(1時間)第2噴出口跡→(1時間30分)焼走り登山口

見どころ

1日目は点在する沼や湿原をめぐりながらの穏やかな高原歩きが楽しめます。2日目は穏やかな稜線歩き。遠くには鳥海山や八甲田山、岩木山といった東北を代表する山々も。3日目は岩手山頂上からの眺望はもちろん、振り返ると「南部富士」と呼ばれる見事な整った岩手山を眺められるのもポイント。

宿泊情報

■大深山荘(1日目)

アオモリトドマツに囲まれて立つ2階建てのきれいな避難小屋。水場は歩いて5分程度のところにあります。なお、ここを含めてコース上でのキャンプはできませんのでご注意を。
大深山荘(ヤマレコ)
■八合目避難小屋(2日目)

岩手山を見上げる八合目に位置する避難小屋。7月1日の山開きから10月の体育の日までは管理人が常駐します。屋外の湧き水「御成清水」は冷たくておいしいと評判!
岩手山(滝沢市公式ホームページ)八合目避難小屋(ヤマレコ)

山の魅力をさらに感じよう!

登山には日常生活では味わえないたくさんの感動が待っています。1泊すればその感動は増えます。そして2泊するとさらにその感動は…。今まで見たことのない、感じたことのない山の魅力がそこにはあります。ぜひ一歩踏み出してみましょう。そこに新たな山の楽しさが発見できること、間違いありませんよ。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに! ・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。

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