「不登校という道を選んだ自分を尊重したい」思い打ち明ける 子どもサミット

不登校の経験や思いを語る当事者ら=佐世保市、アルカスSASEBO

 不登校やひきこもりについて考える「子どもサミット」が29日、長崎県佐世保市三浦町のアルカスSASEBOであった。不登校経験がある10、20代の男女3人が登壇し、「不登校を選んだ自分を尊重したい」などといまの思いを打ち明けた。

 NPO法人フリースペースふきのとう(佐世保市、山北眞由美理事長)が毎年開き15回目。小学3年から中学3年まで不登校だった川原大毅さん(21)は、卒業した中学校を友人と訪ねた際に、当時は嫌いだった校門の風景を見て何も感じなくなったと近況を報告。「学校ではなく、情けない自分を知られるのが怖かったのだと思う」と振り返った。理由がわからないまま学校に行くのがつらくなった経験から「急につらくなって学校に行けなくなる不登校があることを知ってほしい」と呼び掛けた。

 不登校中の過ごし方について久部大樹さん(17)は、周囲の人が後ろ向きなイメージを持っていると感じて「学校に行っている人のように役作りをしていた」と明かした。「学校には行った方が良いと思うが、不登校という道を選んだ自分を尊重したい」と前向きに語った。

 保健室登校をしている樫谷涼風さん(14)は不登校を経験したことで、距離を感じていた父親と話す時間が増えたという。「少しずつ自分の気持ちが言えるようになった。休んで良かったことの一つ」と話した。

 サミットには市民ら約140人が参加。立命館大名誉教授の高垣忠一郎氏の講演もあった。

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