まちだ交遊録│LIGHT&PLACE 湿板写真館 館長・和田高広さん1

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町田さんのディープでドープな交友関係を探るまちだ交遊録のコーナー!湿板写真というもはや歴史的な写真技法にこだわる和田高広さん。そんな和田さんが湿板写真をはじめた理由や、町田さんとの関係に迫る!

レトロ感最上級!魅惑の湿板写真ってなんだ?

最近ではスマートフォンが幅を利かせて、なかなか写真スタジオで写真を撮ることなんかないけど、昔はなにかの節目に家族写真を撮りに出かけたりしたことがある人も多いのではないだろうか?
そんな昔懐かしい写真館で、さらに懐かしい、というかもはや歴史的な写真が撮れるスポットが東京は夕焼けだんだんで有名な谷中銀座商店街のほど近くにあるのだ!

その名も「LIGHT&PLACE(ライトアンドプレイス)湿板写真館」。ここでは、なんとも古典的な方法で写真を撮影してくれるのである。
その方法というのが「湿板写真」。湿板写真とはフィルムではなく、無色透明なガラス板に写真用の溶液を塗布し、ガラスに像を写し取る形の撮影方法。明治ごろに盛んだった技術のようで、諸説あるが、かの有名な坂本龍馬の写真もこの技法で撮られたのではないかと言われている…ということは、写真が現存している偉人のヤツとかもそうかも…もはや懐かしいねホッとするねとか言ってる場合じゃないくらい歴史的な撮影方法なのである。

そして、そんな歴史的な撮影方法を谷中銀座商店街に顕現させたのが、和田高広さん。スノードームコレクターの伊達さん、そして我らが町田さんの友だちである。…だからどんだけ顔が広いんですか、町田さん…(;´∀`)もはや懐かしいモノ・コト・ヒトは町田さんとぶつからなければいけないという法則がこの世にはあるんじゃないかと疑いたくもなる…。

これが湿板写真の力!現代人も湿板で撮ると歴史上の偉人に変身!?

さて、そんな町田さんの人脈に乗っかって、今回もゴル横一行はこれ幸いと取材にやってきたわけだが、まず町田さんと和田さんが仲良しすぎてビックリ!これは古くからのお知り合いに違いないと思って聞いてみると、知り合ってわずか1ヶ月というからさらに驚いた!なんだそのコミュ力w

そんな町田さんと仲良しの和田さんが運営している「LIGHT&PLACE」は、谷中銀座商店街に続く、夕やけだんだんの少し手前の路地の奥に、ひっそりと佇んでいる。中に入ると、こんな感じで写真がずらり!

うーん、ずいぶん古めかしい写真だな…と思って眺めていると、和田さんがひと言。「それ、みんな僕が撮った写真ですよ」とのこと………(゚д゚)!
えっ!?この昔の兵隊さんみたいなヒトも、この昔の華族のご令嬢のようなヒトも、このイケてるボーイスカウトみたいなヒトもみんな?…あ、このボーイスカウト、町田さんじゃねーか!w

ということで、信じられないかもしれないけど、これ、みんな現代の人々をここ最近撮ったやつってことみたいですw
もちろん、服装にこだわって撮ってるせいもあるんだけど、現代人をいとも簡単にここまで歴史上の偉人っぽくしてしまう湿板写真…いったいどんなふうに撮影されているのだろうか?
その疑問は和田さんが丁寧に教えてくれたので、以下でご説明しよう。

湿板写真ってどう撮るの?和田さんに聞いてみた

そんな仲良し感に乗っかって、いろいろ話を聞くことになるのだが、まず湿板写真がどういうものかわからない…ということをお伝えしたら、和田さんが丁寧に工程をご紹介してくれることになった。

湿板写真の工程だが、まずは被写体を移すガラスの準備からはじまる。ガラス板に特殊な溶液を塗布するのだが、こいつを刷毛もなにも使わずにガラス板を傾けて、まんべんなく塗るのだ。ガラスに手垢を付けてもいけないので、100均で買った吸盤を貼り付けている。
和田さん曰く「これが一番やりやすかった」らしいw

ちなみにこの溶液は時間の経過により色が変わっていき、それに伴ってコントラストや感度も変わるのだという。なので、和田さんはちょうどいいタイミングのものを選べるように時間差で溶液を作り続けているそうな…はぁ、大変だ…(゚A゚;)ゴクリ

溶液を塗布したあとは暗室に入り、硝酸銀に浸ける。浸け終わると透明なガラスが白濁した曇りガラスのようになる。これで現代でいうフィルムの用意が整ったいうことだ。

このガラスが乾ききらないうちに、カメラにセットして、被写体を座らせ、固定して6秒で撮影完了となる。6秒って短いように思うけど、実際動いちゃダメって言われて6秒間我慢するって、なかなかの緊張感だと思う………昔は20秒も掛かったというのだから、想像を絶する大変さだ(;´∀`)昔の人はやっぱり我慢強かったのかしらね?w
ちなみにこれが固定されている町田さんの図であるw

ご覧のように別にガチガチに固定するわけではなく、ちょっと首を支えるだけのもの。でも、人体で一番重い頭を支えるサポートしてくれるわけだから、あるのとないのでは大違いだろう。
ちなみに、和田さんは完全に昔の技法というよりは、今のテクニックも上手に取り入れているので、なんだったら3秒くらいの固定時間でも撮れるらしい。それでも6秒にこだわるのはなにも和田さんがドSなわけでなく、その6秒の時間が昔の写真に見られる緊張感を出すのに最適だからなんだとか…。
そう、和田さんは技法だけでなく、写真に映る緊張感や、粗さまで昔の写真に近づけようとしているのである!うーん、すごい情熱だ…(゚A゚;)ゴクリ

普通のカメラなら、カメラを向けてパシャリ!で終わるところだが、湿板写真はめんどくさい工程の連続…。撮る前はその日の気温を気にしながら溶液を作って、しかもそれを経過日数ごとに管理して、硝酸銀に浸けて…など、和田さん自身も「めんどくさい」といっちゃうくらいのめんどくささ(;´Д`)
でも、そんなめんどくささを経なければ、いい写真は作れないってことらしい。

聞けば和田さんはもともと商業カメラマンとして働いており、いまも仕事をしているらしいのだが、一体全体なにがどうなって、こんなめんどくさい写真を撮影することになり、さらにめんどくさいと言いながら続けることになっていったのだろうか…。
その、湿板写真に掛ける情熱について、町田さんとの交遊と合わせて、次回お話しようと思うので、お楽しみに!

湿板写真館new of ライトアンドプレイス湿板写真館

お知らせ

和田高広さんが撮影サポートした湿板写真の企画展が開催中!
菅実花 個展「人形の中の幽霊」/丸木美術館 ~7月15日(月・祝)まで。

原爆の図丸木美術館 / Maruki Gallery For The Hiroshima Panels

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