タイ、手を触れずにさばく 伝統の儀式 諏訪神社 30日午後4時から「夏越しの大祓式」

箸と包丁でタイをさばく「四條流包丁儀式」=長崎市、諏訪神社

 長崎市上西山町の諏訪神社で29日、平安時代から受け継がれているという「四條流包丁儀式」があり、氏子ら約30人が見届けた。
 航海の安全と大漁を祈願する同神社の「住吉大祭」に合わせ、毎年奉納している。この儀式は貴族が客人をもてなす際に、長い箸と包丁を使い、タイに手を触れずに調理したことに由来するという。
 拝殿では四條流保存会県支部の磯邊嘉男支部長(72)が厳かな雰囲気の中、丁寧にタイをさばいた。皿に盛り付けたタイを神前に供え、関係者らが玉串をささげた。磯邊支部長は「命をいただくことへの感謝を表す大切な儀式。若い人たちに受け継ぎたい」と話した。
 30日午後4時からは、正月からの半年間の身や心の汚れを清める「夏越しの大祓(おおはらい)式」がある。

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