「仙台七夕まつり」イメージして 作り方を伝授 色とりどりの飾りで地域を元気に 長崎・神ノ島町

和やかな雰囲気で飾りを作る自治会婦人部のメンバー=長崎市、神ノ島町1丁目第一自治会公民館

 色とりどりの飾りで地域を元気に-長崎市の神ノ島町1丁目第一自治会(韋友強会長)は、仙台市で8月に開かれる「仙台七夕まつり」をイメージした七夕飾りで地域を彩る計画を進めている。東北出身のメンバーが作り方を伝授し、七夕に復興への願いを込めている。
 「令和初めての七夕やけん、何かしたかね」。6月初旬、婦人部の雑談をきっかけに企画の検討が始まった。飾り付けのアイデアを出し合っていたところ、東北出身の宮崎幸子さん(72)が後日、「こんなのはどう」と、色鮮やかな吹き流しが付いたサンプルをわざわざ作って持参した。宮崎さんにとっては「七夕といえばこれ」という仙台らしい飾り付け。「すごい」「どがんやって作ると」と婦人部のメンバーが驚きの声を上げたという。
 宮崎さんは、宮城県と県境にある岩手県一関市出身。25歳で夫の地元、長崎へ移り住んだ。子どもの頃、家族で訪れた仙台まつりの飾りの美しさは「圧巻だった」と振り返る。2011年の東日本大震災で、故郷も道路の崩壊など甚大な被害を受けた。初めての取り組みに「復興への願いも込めながら作っている。見る人たちの心が穏やかになってくれたらうれしい」と東北に思いを寄せた。
 公民館の作業場。段ボールや菓子の空き箱などの周囲に、折り紙や和紙、包装紙などで作った花などをぎっしりと取り付け、球形や傘形に仕上げる。その下に紙テープなどで風に揺れる吹き流しを取り付けて完成。7月7日の前後1週間を目安に、地域の公民館付近に幅約15メートルの土台を設けて飾り付ける予定。住民の願い事を書いた短冊も飾る。
 令和の時代について「平和で安全な時代になってほしい」と婦人部長の宮崎涼子さん(69)。メンバーは「みんなで寄り合うと楽しかね」「喜んでもらえるとうれしかね」と会話に花を咲かせている。

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