初心者必見! アジングに興味のある貴方へ!【アジング導入新書#00】

アジングは簡単! 初心者向きでオススメです! という解説、きっと読んだことがあるんじゃないでしょうか。ルアマガプラスでも過去に多くの初心者向けアジング解説を行ってきました。……で、実際どうなのかといったら、その通りなんですよね。奥深さもありますが合理的で簡単で入り口が広い。何より極めてお手軽なことが楽しさを増幅する釣りじゃないかと思います。とはいえ情報量も多くなってきた昨今「何をどうしたらいいのかよくわからない!」という面も。
あらためて、この釣りに興味をお持ちの皆さんに手っ取り早くわかっちゃうぶっちゃけこれでOKなスタイルで、道具の選び方から、実際に海に出て1尾を釣り、どうやって持ち帰るかまで。アジングってこんなに楽しい釣りなんだということをご案内していきたいと思います。

アジをルアーで釣る必要があるんでしょうか? ……あるんです!

アジのルアーフィッシングのことを総じて、アジングと言います。ルアー釣りの対象魚としては比較的新しいジャンルですが、お手軽なうえ繊細なところにゲーム性があって、一気に人気が広がった釣りです。何よりアジって美味しいですし!

さて、では「なぜアジをルアーで釣らなきゃならないの?」と問いかける人も多いはず。だって、「サビキ釣り」という寄せエサを使った釣りなら簡単にたくさん釣れるじゃない!……何が楽しくてわざわざルアーで狙う必要があるのかと。確かにそうですよねぇ。

先日、アジングにハマったという女性アングラーを取材しました。みぃさんというアングラーなのですが。彼女に、なぜアジングにハマったのかという話を伺ったらこう答えてくれました。

「最初は、サビキ釣りでアジが鈴なりに釣れて、すごく嬉しかった。でもやっぱりエサが臭かったり、気持ち悪かったりで……。それで何かないかなぁと思って調べたらアジングというルアー釣りがあることを知ったんです。ルアー釣りなら疑似餌だから汚れにくいですし、なにより手軽でした」

現在、サーティフォー(34)というアジングのアイテムを供給する専門ブランドのレディーススタッフとして活躍する、みぃさん。

なるほど、女性らしい意見だと思われたかもしれませんが、手や服を汚したくないという男性も決して少なくないでしょうね。そして注目したいのは手軽だという点です。それについては後ほど解説させてください。

では、なぜアジをルアーで釣るのが楽しいのかを解説していきましょう。

[アジング小ネタ]

このアジングという用語、実は商標登録されていたりします。とはいえご安心あれ。アジングの商標登録は、この釣りの普及のために、アジングという言葉を保護する目的で登録されているものなのです。どんどん使ってOKなのです。

アジングの対象になるアジ……そもそもどんな魚なんでしょう

アジは、北海道を除く(近年は北海道でも釣れています)日本全国の沿岸部に分布する魚です。まあだいたいどこでも釣れる魚ということですね。群れを作る性質があることから、釣り場にアジが入ってくれば比較的簡単に釣ることができます。

マアジはわりとどこにでもいるという大衆魚の代表選手だからこそ、気軽な釣りの対象になります。

アジにはいくつかの種類が存在しますが、アジングの対象魚になっているのは主にマアジです。他にはマアジによく似たマルアジや、メアジと呼ばれる比較的南方に分布する目の大きいアジもいます。こちらもアジングの対象魚になりうる種類と言われています。

他には、ムロアジ、シマアジ、ロウニンアジ、ギンガメアジなど、アジという名のつく魚はたくさんいますが、アジングの対象魚としてはだいたいマアジだと考えていただいて問題ありません。

ムロアジ。地域によっては釣れることがあるかも。
シマアジ。アジ科の魚はどれも美味しいうちの代表格。堤防から釣れるサイズなら取り込めるかも。
カスミアジ。ぜんぜん違う釣りの対象魚です(笑)!

釣れるアジは売っているアジとはまったく別物、めっちゃ美味しい(ちょう重要)

アジ、美味しいですよね。刺し身、塩焼き、なめろう、南蛮漬け……。釣った魚を美味しく食べたいと思われている方にはうってつけの魚種と言えます。

そして、ここが重要なのですが、釣ったアジは一般的に売られているアジよりも美味しいんですよ。新鮮だからでしょう? ということだけではなくて、魚種が違うのではというくらい見た目と脂の乗りに差があるんです。

釣り物のアジは、一度たべたらハマる美味しさです。

売っているアジは「クロアジ」

どういうことかというと、売っているアジは通称「クロアジ」などと呼ばれる外洋を回遊しているマアジで、尻尾の先まで黒いアジになります。

釣れるアジはだいたい「キアジ」

一方、釣れるアジは沿岸近くに生息するタイプで、瀬付きのアジとか「キアジ」などと呼ばれていて、全体的にそうなのですが、特に体やヒレが黄褐色になります。美味しいサンマを見分けるのに口先が黄色くなっているものを選ぶ理由と同じで、脂の乗りがまったく違うのです。例えば東京湾の釣りではいまアジが最も人気だったりするのですが、ときに「黄金アジ」などと呼ばれるほどの美味しさで、ハマる人が続出なんですね。

これを体験するだけでも、極上のエクスペリエンスなのであります!

アジの生態と習性、どの季節が狙い時で、どの季節が旬?

アジの生態と習性についてもふれておきましょう。ありふれた魚ではあるのですが、実のところその生態はあまりはっきりと解明されているとはいえないようです。意外と学者さんよりアジ釣りにのめり込んでいる釣り人の方が生態に詳しかったりすることも。

アジは基本群れる魚。その群れを探す釣りでもあります。

基本的には昼行性の魚です。が、アジングでは夜に釣りをすることが多いです!

食性は雑食です。ですが、近年は動物性プランクトンを主食としていていると言われています。ときに小型の魚を捕食することもあります(朝や夕方にその傾向が強いです)。ルアーで釣る場合は、そこにいるアジが何を食べているかを当てることが重要になります。

産卵期は東西に長い日本列島ですので、一概には言えませんが西日本で冬から梅雨前にかけて。東、北日本だと桜の咲く頃から初夏の間だと言われています。

まさに産卵しよう、するぞ! となっているアジでなければ、積極的にエサを追いますので、結論から言うと年中無休で釣りを楽しめる魚です。が、大きなアジを釣ることができるのは、特に秋から冬にかけてだと言われています。数釣りを楽しみたいならサイズは小さくなりますが、夏場からが最盛期と言えます。夜釣りでも寒くありませんし!

旬は産卵期によってずれ込みます。産卵前後、特に産卵直後は脂が落ちてしまいますが、基本的に周年で美味しく食べられる魚といえます。

ルアーでアジを釣るアジングの優れているところは、気軽さにあり

さてここからが本番。アジングという釣りは、シンプルに1つのルアーを使って1尾のアジを釣り上げる遊びです。たくさんエサを撒いて釣るほうが効率が良さそうな気がします。

ですが、こっそりお伝えしますね……。実はルアー釣りでも、釣りバリがたくさん付いているサビキ釣りより釣れる状況も多々あるのですよ!

この釣りのすごいところは、比較的簡単に釣ろうと思えば釣れるのに、より大きい魚を釣りたい、より数を釣りたいとなってくるとテクニックが必要になってくるというゲーム性です。ビギナーにも楽しめ、その先に進めば深遠なるゲーム性に驚くはずです。そうでなければ、アジを釣るのにここまでの仕掛けが生まれ、市場が構築されるわけがありません。

もうひとつ、数あるルアー釣りの中で「最小準備労力」で釣りを始めることができるジャンルであることも触れなければならないでしょう。どういうことかって? はい。言葉どおりです。アジングに必要な道具(仕掛け)は非常に種類が少なくコンパクトなんです。なので、釣りに行こうと思い立っても、準備という準備が必要のないほど、洗練されています。

カバンひとつで釣りが簡潔に完結。
ロッドもせいぜい持っていって2本。もちろん1本でも事足ります。

なので、釣り場さえあれば、思い立ったら「釣り時」なのであります。そして、先に触れましたが、昼間よりも夜に釣れやすい魚なので、我々、日中は仕事を嗜む社会人にとって気軽に楽しめるルアー釣りのジャンルでもあるのです。そう、仕事帰りちょい釣りが、本当に手軽に実現できるジャンルなんです。

なぜ、昼行性の魚なのに夜狙うと効率がいいのかについては、連載内で解説。昼間釣れないわけじゃありませんよ!

アジングのゲーム性はターゲットのサイズによる泳層探りと、ヒットルアーの見出し

どんなところがゲーム性が高く面白いのかって? これを書かせると論文級になりますので、なるべく掻い摘んでご説明しましょう。先に申し上げましたが、アジという魚は比較的どこにでもおります。つまり釣りを楽しむステージは整っています。適切な仕掛けを持ち込み、エサに相当するルアーをそのステージに投げ込めば、反応が帰ってきます。だからこそ、のゲーム性というのがあるのです。

例えばですが、アジは群れで活動する魚として知られており、水面に近い部分に群れているアジのほうが小さく、底にいくほど大きいサイズのアジが固まっている傾向があったりします(あくまで傾向です)。

レンジ(水深)をどう狙っていくか……など考えることが多い釣りです。

ルアーを投げると気軽に水面に近いアジがルアーに反応してくれて、ビギナーでも釣りやすいのですが、より大きいサイズを釣るには、その水面の群れを抜けて底のアジにルアーを到達させるためのテクニックが必要になります。

そうやって、大きな魚がいる層にルアーを送り込んだものの、その大きなアジたちが喰いつてくれるようなルアーをチョイスする必要があり、その見極めもテクニックとなります。

簡単に釣れる小さなアジたちも、より数を釣るとなると、工夫が必要になります。そういったやりとりこそがゲーム性なのです。

そして、コンという小気味のいい魚のアタリは狩猟本能を掻き立てます。このアタリの出方も日によって、場所によって、食べてるものによって変わってきます。それに対応したアワセ(魚をロッドをあおって釣鉤に掛ける行為)の仕方も変わってきます。

……。そうなんです。キリがないんです。ルアー釣りの中でも特別にゲーム性が高いと言われているブラックバス釣りのプロアングラーでも、このアジングにハマる人がいると言われています。

そう、アジは簡単に釣れてくれる魚なのに、やればやるほど、その奥深さ、ゲーム性に驚かされてしまうターゲットなのです。大きくてもせいぜい30cmから40cm(もちろん60cmくらいの化物もいますが!)、小さいものは10cm……。そんな魚を真剣に狙うい意味があるのかと笑う人もいるかもしれませんが、スマホゲーなどを楽しんでいる世代の方ならわかるはずです。

ガチャはありませんが、いい道具を使うことにより強くもなれます。でも、無課金とまではいきませんが、そこそこの道具でも、それなりに戦えます(遊べます)。使うルアーはワームと呼ばれている小さなゴムのような素材のものを多用しますが、たくさんあるメーカーから種類も豊富に出ています。カラーのバリエーションもたくさんあります。

ルアーの本体となるワーム。多種多様多色! これらをどう使いこなしていくかというゲームも面白い。

日によって変わるステージを攻略していくために、より釣れるアイテムを見つけ出す必要があります。それを見つけ出せばライバルたちを出し抜けます!こういったゲーム性こそ、アジングの奥深さと楽しさなんです。

次回はアジングの道具の揃え方

さぁ、アジングを始めたくなりましたか? では、始めるための準備、どんな道具を揃えるといいのかを次回アドバイスさせていただきます!

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