F1第9戦オーストリアGP 決勝トップ10ドライバーコメント(2)

 2019年F1第9戦オーストリアGP決勝で5位~優勝のドライバーたちが日曜日を振り返った。

■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=5位

2019年F1第9戦オーストリアGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 楽な一日ではなかった。レースがスタートする前から、苦しむことは分かっていた。今日はオーバーヒートという大問題に直面したんだ。ペースがあり、マシンの感触もよかったけれど、オーバーヒートのせいでレースができなかった。僕らのマシンには制限があるのに、他チームのマシンは全く苦しんでいない様子だった。このことについて調査して対策する必要がある。

 今後も、たとえばブダペストのように気温が高いレースがあるから、今日の問題を解決しておかなければならない。そうでないとまた苦しむことになるからね。

 それから、縁石でフロントウイングを壊した。ピットストップの際に交換しなければならず、そこでタイムを失った。

 時にはうまくいかない日もある。5位で多少ポイントを稼げたのはよかった。

■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=4位

2019年F1第9戦オーストリアGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

 僕はいつだって物事をポジティブに考える。今日はチームが素晴らしいマシンを用意してくれた。比較的いい週末だったと思う。カナダGPのようにね。

 昨日の出来事を残念に思うけれど、今日のレースはエンジョイできた。ホイール・トゥ・ホイールのバトルをし、プッシュし続けたんだ。

 シャルル(・ルクレール)のこと(注:初優勝をあと一歩のところで達成できなかったこと)は残念だ。週末を通して速くて、今日も素晴らしい仕事をしたのにね。

 全体的に見ると、ハッピーな部分もあれば、そうでない部分もある。今週末はふたり揃って表彰台を獲得し、ひとりは最上段に上ることが可能だった。

 マシンに関して何が必要なのかは分かっている。ダウンフォースをつけなければならない。ここやカナダのようなサーキットでは強いけれど、もっとマシンをよくする必要がある。でもそれは、一日で実現できるような簡単なことではないんだ。

 マラネロの皆は仕事に情熱を注ぎ、マシンを改善するために必死に働いてくれている。彼ら全員にお礼を言いたい。今シーズン型フェラーリには間違いなく勝つ力があると信じている。

■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 決勝=3位

2019年F1第9戦オーストリアGP バルテリ・ボッタス(メルセデス)

 今日は精いっぱいの仕事をしたと思う。今回のレースでは苦しむことは予想していたが、思っていた以上に苦労した。繰り返しリフト&コーストを行わなければならず、エンジンのオーバーヒートを防ぐために、使えるモードが制限された。つまりまともに戦うことができなかったんだ。

 最初から最後までほぼずっと、温度の管理をしなければならなかった。そのせいで防御もアタックもほとんどできない状態だった。

 ポジティブな面を見ると、今回もポイントを獲得できたし、レースペースがそれほど劣っていたわけでもない。だから悪くはなかったよ。

 問題について調査し、次のシルバーストンにはもっと強くなって戻ってきたい。

■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 決勝=2位

2019年F1第9戦オーストリアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)が2位獲得

 全体的に見ればポジティブな週末だった。でも残念なことに望んだ結果では終わらなかった。

 ファーストスティントは好調でペースがよかった。(バルテリ・)ボッタスにトラックポジションを奪われることを防ぐために早めのピットインを行った。そのため、セカンドスティントが長くなり、予想以上に厳しい状況になった。終盤にはリヤタイヤがひどいデグラデーションを起こしていた。

 2位は望んでいた結果ではない。でも僕らは全力を尽くしたし、今週末大きく進歩したことは確かだ。今回のレースを機に今後さらに進歩し、いずれ目標とする成功を収めることができると信じている。

(フィニッシュ直後のインタビューにこたえ)最初に仕掛けてきたラップはOKだった。彼はスペースを残していたからね。コーナー出口に1台分の幅を残していた。でも次のラップでは違った。だから僕はコース外に出るしかなかった。

(裁定発表後にSNSで)全力を出し切った。チームにとって残念な結果だけれど、可能な最大の仕事をしたと思う。フェルスタッペン、優勝おめでとう。

■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=1位

2019年F1第9戦オーストリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が優勝

 信じられないようなレースだった。チームにとってホームグランプリでの2勝目を挙げることができてすごくうれしい。

 スタートでアンチストールに入ったことでポジションを落とし、(1周目の終わりには)7番手になってしまった。でもペースはとてもよかったから、冷静さを保ってプッシュし続けたんだ。

 セカンドスティントでの走りが勝利を決定づけたと思う。マシンが生き生きと力を発揮し始めた。バルテリを抜いた時、優勝を狙えると思った。すごくペースがよかったからね。とはいえ、どういう展開になるかは分からない。諦めずにひたすらプッシュし続け、全開で走ったよ。そうして残り数周のところでシャルルを追い抜いた。最高にハッピーだ。

 あの動きは接戦のバトルから生まれたもので、ああいう動きをしてはいけないのなら、家でじっとしていた方がいい。

 アストンマーティン・レッドブル・レーシングの全員に心から感謝する。週末を通して作業に励んでくれたし、アップグレードはよく機能していたと思う。サーキットで働くクルー、ファクトリーのスタッフ全員にありがとうと言いたい。

 もちろんホンダにも感謝している。彼らは数年にわたって苦しい時期を過ごしてきたから、今日、彼らのために勝てて最高の気分だよ。

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