シソンヌ・じろうの“怪しい勧誘をしそうな男”は一見の価値あり！ あの「LIFE！」WEB限定コント第4弾が登場

シソンヌ・じろうの“怪しい勧誘をしそうな男”は一見の価値あり！ あの「LIFE！」WEB限定コント第4弾が登場

皆さんはNHKの無料動画サイト「NHK1.5ch」をご存じでしょうか？ 「NHK1.5ch」は、NHKで放送された番組をギュッと凝縮して“オイシイ”ところだけを集めた動画サイトです。その中にある「LIFE！～人生に捧げるコント～」（NHK総合）のコント「一見、悪徳に見えて、ただ○○を勧めているだけの男」シリーズがいい味を出しているんです！ 現在、第3弾まで出ているこのシリーズは、YouTubeのNHK公式チャンネルでも視聴することができ、7月1日現在の3作合計の再生回数はなんと650万回超!! その上、緑の恐竜・ガチャピンさんなど、いろんな人からパロディー動画を作られてしまう人気ぶりなのです。今回は、7月1日にアップされた最新作・第4弾の舞台裏と、シリーズの立役者であるシソンヌ・じろうさんのインタビューを紹介します。

「一見、悪徳～」シリーズとは、一見すると怪しい勧誘をしてきそうな風貌と口調の男性が、実際には良いことを勧めてくるというコント。「あー、こんな人いそう」と思えるうさんくささを醸し出しているチャラそうな男が、自分のためになることを勧めてくれるそのギャップにじわじわときます。これまでの第1弾は貯金、第2弾はアルバイト、第3弾はジョギングの良さを勧めていましたが、第4弾は果たして？

第4弾の収録は午前中に行われ、“いかにも”な風貌をしたじろうさんが現場に到着。一人語りを2分弱するコントですが、カメラはなんと全部で6台ありました。正面からのじろうさんだけでなく、両サイド、そしてクレーンカメラで上からの撮影も。さまざまな角度からじろうさんを狙っています。撮影に臨むじろうさんは真剣そのもの。1人でおよそ2分もの間、相手がいるかのように、よどみなく語らなければいけないわけですもんね。リハーサルの合間もしっかり台本をチェックされていました。そして本番を迎えたじろうさんがスラスラとセリフを言う姿は、演技ではなく、本当にそういう人が話しているかのようでした。

そうやって撮影を終えたじろうさんを直撃し、収録後の感想などを伺いました！

──早速ですが、収録を終えていかがですか？

「いつも手応えがないんですよ。だから毎回（スタッフに）『大丈夫でしたか？』と聞くんです。これまではみんなの撮影が終わった後、少人数のスタッフと僕だけでやっていたのに、今回は朝でスタッフも多かったので緊張しましたね」

──今回、新作の第4弾に挑まれたわけですが、最初に第1弾を撮影された時は、どういう気持ちで撮影に臨んでいらっしゃったのでしょう？

「最初はこんなに続くとは全然思っていなかったです。『LIFE！』に関しては、『どれだけやれるのかやってみろよ』と言われているような感じで、お試し期間の生徒という気持ちでいます。カメラが目の前にあるので、本当に緊張するんですよ。1人でやらなきゃいけないし、皆さんに『つまんねーな』と思われたくもないですし」

──カメラに慣れていらっしゃる方でも目の前だと緊張するものなのですね。さて、「一見、悪徳～」に登場する男性は、個性あふれる独特なキャラクターですが、モデルなどはいるのでしょうか？

「喫茶店にネタを書きに行くと、あんな雰囲気の人がいて、何か説得している場面を見かけるんです。『何の話しているんだろう？』『なんの説得しているんだろう？』と思いながら、そういう人たちを見ているので、それっぽい感じにしています。地方にいるのかは分からないですが、東京にはゴロゴロいるんで（笑）」

──それでは、勧誘されている相手はどういう方を想定しているのでしょう？

「今回は同級生という設定だったんですけど、これまでは、上京したてなんだろうなという人を想定しています。言われるがまま、連れてこられて説得されているんだろうなと。人を疑うことをまだ知らない純朴そうな若者をイメージしていますね」

──言われてみれば、そんな人に語り掛けているように見えますね。男の見た目と勧誘内容のギャップが面白い「一見、悪徳～」は、第3弾までの合計再生回数が650万回を超える人気コンテンツとなっていますが、その反響についてはいかがですか？

「こんなに再生されるとは思っていなかったです。ああいう人っていそうだから、シソンヌのじろうがやっていると分かっていない人がすごく多そうだし、見られているという自覚は全然ないです。そういえば、先輩でギンナナの金成（公信）さんが、芸人の中では一番楽しみにしてくれていて、会うたびに『新作いつ出るの？』と言われます（笑）」

──米津玄師さんが作詞・作曲、プロデュースしたNHKの東京2020応援ソング「パプリカ」は、再生回数が1億回を超えているそうですが、「一見、悪徳～」はどこまで伸ばしたいですか？

「へー！ そしたら合計でそこを目指したいですね（笑）。今のペースで1年くらい放っておいたら、1000万回くらいは行くんですかね？」

──そうすると、10年掛かりますね…（笑）。ちなみに、“あの人”はいい人なんでしょうか？

「いい人じゃないですかね（笑）。純粋にその人のことを思って勧めていますからね」

──彼には名前がないと思うのですが、もしつけるとしたら？

「名前ないんですよね（笑）。なんですかね。悪徳だけどいいやつみたいなことですかね？ “悪徳よしお”とかなんかそんなやつ（笑）。名前は確かに欲しいですね」

──Twitterなどでは「参考になります。私も貯金します！」という人が多いようですが…。

「あははは。トークの技術がすべて詰まっているとか、何かをプレゼンする時のテクニックがすべて入っていると書いている人がいるけど、全然そんなつもりはないです（笑）」

──このコントは約2分ほど、ずっと1人で語っておられて、せりふを覚えるのが大変そうだなと思ったのですが、どうやって覚えているのですか？

「今回のはわりと覚えやすかったんですけど、結構、前日とかに台本が来るんで…（笑）。たぶん『LIFE！』側が遅いのもあるし、『よしもと』あるあるで、1回マネジャーで止まるというのもあるんです。それで1日くらい遅れていて、今回のも一昨日くらいにもらいました。自分一人でずっとしゃべって相手とのやりとりがなく、周りに迷惑をかけることがないので、流れだけなんとなく頭に入れてボケを足していく感じです」

──台本にアレンジを加えているということですね。

「そうですね。僕も書くことがあるので、あんまり好き勝手にやられるのもなあと思っちゃうんですよ。面白いと思って書いてくれたものに手を加えるのは失礼な感じがしちゃって。でも、これに関してはアドリブをいっぱい入れてくださいって言われているので、入れるようにしています」

──では、渾身（こんしん）のアドリブはどれですか？

「『一見、悪徳に見えて、ただジョギングを勧めているだけの男』のスニーカーの絵を描くところですかね。あれは個人的にくだらなくて好きです」

──絵も練習されるんですか？

「そうですね。第4弾でも絵を描いているのですが、今回のものは演出の方が元々入れようと思って練習していたそうで、その速い描き方を教えてくれました。『こうやって描くと速いですよ』って（笑）」

──ものすごく速く書かれているから、相当練習されたのかと…。

「あははは。でも変な間を作りたくないので、なるべく間が死なない程度のスピードで書くように心掛けています」

──今後、あのキャラクターでやってみたいことはありますか？

「このコントに関しては、自分では何にも書いてないので、いただいた台本をどんなふうに料理するのかが自分のモチベーションというか、どうやってより面白くするかをテーマにやっているところがあるんです。だから、どんなのが来ても対応する心積もりではあります」

──もし、じろうさんが台本を作るとしたら、何の勧誘をしたいですか？

「なんですかね？ 何の勧誘だろう？（笑）。Twitterで見ていると『一見悪徳に見えて実はこれを勧めているだけ』という大喜利をしている人とかいっぱいいますよね。でも、この作品は僕が台本を書いていないからいいんですよ。僕が書くとべったりとしちゃうし、暗いものが多いので（笑）。これに関してはプレーヤーとしてのスキルアップを目指したいですね」

──今後、このコントの目標はありますか？

「特にないですね。そういえば、今日はいつもと違って、本編の『LIFE！』の方にあの台本が入っていたんです。だから、テレビで放送するのかなと思ってすごくドキドキしました。自分としては、ちょっと1.5chでとどめておきたいなって。あれは、インディーズ感がいいんじゃないかなと思っているので」

──なるほど（笑）。ありがとうございました。今後も楽しみにしています！

「どこまで続くか（笑）」

シソンヌのじろうさんが、第4弾も安定の怪しさで“あるもの”を勧めているので、ご覧になってニヤニヤしていただきたいです。ものすごい速さで描いている絵も必見です！ そして、7月5日には本編の「LIFE！」も放送されます。こちらは杉咲花さんと内村光良さんの絶妙な掛け合いが楽しいコントとスタジオトークもありますのでお見逃しなく。さらに、本編放送後の「LIFE！ 5ミニッツ」にて「一見、悪徳～」の地上波初放送が決定！ じろうさんは「1.5chでとどめておきたい」とおっしゃっていましたが、1.5chだけではもったいない面白さをテレビでも体感してください。

NHK担当 K・H