容疑者宅から人の片脚、自宅で切断か メモに遺体処理方法

容疑者の自宅から押収品を運び出す捜査員=28日午後3時25分ごろ、川崎市宮前区

 平塚市の海岸で6月、両脚の太ももから下がない女性の遺体が見つかった事件で、死体遺棄の疑いで逮捕された女性の夫で、川崎市宮前区、会社員の男(26)の自宅から、人の片脚が発見されたことが1日、県警への取材で分かった。同容疑者は殺害についても認めており、県警は同容疑者が妻を殺害後、自宅で遺体を切断したとみて調べている。

 同容疑者は6月27日午前2時15分ごろ、同居する妻(26)の遺体をスーツケースに入れて平塚市高浜台の海岸まで運び、海中に遺棄した疑いが持たれている。同28日には、付近の海で妻のものとみられる片脚が見つかっていた。司法解剖の結果、妻の死因は窒息死だった。

 捜査1課によると、同容疑者は「自宅から遺棄現場までタクシーを乗り継いで往復した。車内では顔が分からないようにタオルで隠した」と供述。県警は、同容疑者の自宅から血痕のようなものが付着したスーツケースや、遺体の処理と搬送方法が記されたメモなど約80点を押収しており、裏付けを進める。

 同容疑者に数百万円に上る借金があったことも判明した。同容疑者は「買い物で多額の借金ができた。返済のため、妻のクレジットカードを無断で使ってキャッシングし、結婚式や新婚旅行の資金も全部使ったが、妻に気付かれた」とも話しており、県警は、借金を巡る夫婦間のトラブルが事件の背景にあったとみて捜査する。

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