NASA、大型ロケット「SLS」の2020年打ち上げ方針は変わらず

NASAは巨大ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」初打ち上げを2020年に実施するスケジュールは、依然として変更されていないことを伝えています。

5月28日に開かれた委員会にてNASAのBill Hill氏は、ミシシッピにあるステニス宇宙センターで「グリーン・ラン」と呼ばれる、8分間のコアステージと4基のRS-25エンジンの燃焼テストを行うかどうかは決定されていないと伝えています。

一方で、NASAではコアステージをニューオーリンズの製造工場からケネディ宇宙センターへと直接輸送し、そこでグリーン・ランのかわりに手順を短縮した燃焼テストを行うことも検討されています。もしそのような手順をとれば数ヶ月のスケジュール短縮が見込めますが、NASA以外からは安全性の観点から懸念の声もあがっています。

またグリーン・ランを実施する場合でも、米ボーイングが2019年末までにコアステージを完成させれば、グリーン・ランを実施しても2020年6月までにケネディ宇宙センターへと輸送できるとしています。そうすれば、SLSの初打ち上げとなる「アルテミス1」は2020年後半に間に合う可能性があるのです。

また、SLSに搭載される「オリオン」宇宙船も試験を終了し、8月か9月には環境テストのためにオハイオに送られ、今年後半にはケネディ宇宙センターへと移動される予定です。

Image: NASA
■NASA Still Aiming for 2020 First Launch of Space Launch System Megarocket
https://www.space.com/nasa-still-aiming-for-2020-first-sls-launch.html
文/塚本直樹

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