マクラーレンF1復調の立役者は「欠点を指摘してくれたアロンソとバンドーン」とザイドル

 マクラーレンF1チームのマネージングディレクターを務めるアンドレアス・ザイドルは、チームのパフォーマンス改善をけん引したのは、2018年にドライバーを務めたフェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンだったとして、両者を称えた。

 自らをF1中団グループの揺るぎないトップチームと位置づけるマクラーレンは、第9戦オーストリアGPでダブル入賞を果たし、コンストラクターズ選手権では追うルノーとの差を10ポイントにまで広げた。

 優れた設計のMCL34のシャシーと、ルノーが供給するパワーユニットの進化が相まって、今シーズンのマクラーレンは着実にポイントを競えるチームへと変貌した。だがザイドルは、復活に向けた基礎的な作業は昨年から始まっていたと考えている。

「昨シーズンは9番目に速いマシンで終わったチームが、これほど大きな進歩を遂げるなどとは、誰も予想していなかったはずだ」とザイドルは語った。

「これは端的に、昨年始動した様々な変革が功を奏してきたことを示している」

「チームは、このマシンがコースに出て戦えるように良い仕事をしてくれた。それから、我々は昨年のドライバーであるフェルナンドとストフェルが果たした大きな功績に、称賛を送るべきだ」

「ふたりがマシンの欠点や開発すべき部分を指摘してくれた。おかげで現在の我々の主眼は、開発作業をそのまま維持することに置かれている」

 レッドブルリンクで行なわれたオーストリアGP決勝では、ランド・ノリスが堅実かつトラブルのない走行で6位に入った一方、カルロス・サインツJr.は予選での健闘にもかかわらず、パワーユニット交換によるペナルティで後方19番グリッドからのスタートを強いられた。

 ザイドルは、その後猛烈な走りを見せて8位に入ったサインツJr.について、終盤のラップでフロントウイングに損傷さえ受けなければ、さらに数ポイント加算できていた可能性もあると考えている。

「ふたりが6位と8位に入ったのは素晴らしいことだし、最後方でのスタートから順位を大きく上げたカルロスの走りもすごかった」とザイドル。

「彼にはさらに上位を狙える可能性もあったが、残念なことにチェッカーから少し前のラップでフロントウイングを傷めたため、それからは何とか走り続けてポジションをキープすることが目標になってしまった。(ピエール・)ガスリーにアタックをかけるチャンスがあったにもかかわらずだ」

「ひどいアンダーステアが出ていた。ラップタイムで1秒程度は失っただろう。(キミ・)ライコネンのラップタイムも遅くなっていたことが、我々にとってはラッキーだった」

「ポール・リカールでの第8戦が単なる偶然ではないことを示してくれたのだから、チームはとても良くやったと思う。中団グループにおいて、我々はまたも4番目に速いチームになったのだ」

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