「ドリーム・オン・アイス 2019」リポート第2弾! ネイサン・チェン選手、坂本花織選手、紀平梨花選手が新シーズンの意気込みを語る

「ドリーム・オン・アイス 2019」リポート第2弾! ネイサン・チェン選手、坂本花織選手、紀平梨花選手が新シーズンの意気込みを語る

6月28日からKOSÉ新横浜スケートセンターで行われたアイスショー「ドリーム・オン・アイス 2019」。リポート第2弾では、6月28日の公演後に行われたネイサン・チェン選手、坂本花織選手、紀平梨花選手の囲み取材を紹介します。

●ネイサン・チェン選手

── オフシーズンはどう過ごされましたか?

「ショーで忙しくしていました。まだ、いくつかショーに出演する予定があります。それ以外では、カリフォルニアの(ラファエル・)アルトニアンのコーチのところで一緒に過ごす機会を作っています。学校に通っている間は、なかなか会うことができないので…。オフシーズンの前半はリラックスして回復する時間に費やしてきましたが、カリフォルニアではできるだけトレーニングしたいです」

── 日本で印象に残っていること、もしくはこれからやりたいことはありますか?

「日本では、楽しい日々を過ごしています。日本には何度か来ているので、渋谷など有名な観光地はすでに行っているのですが、今回も渋谷のスクランブル交差点に行きました。そのほかでは、上野を散策しました。池があって、ステキなところでした」

── 学業とスケートを両立するための秘訣を教えてください。

「何か一つ秘訣があるわけではなく、家族やコーチ、周囲の人たちの支えというものがうまく積み重なっていると思います。また学校に行くことによって、氷の上で過ごす時間に感謝するというか、見方も変わってきました。(北京冬季)オリンピックが近づいてくればもっとコーチと過ごす時間が必要になると思いますが、’19-’20シーズンはうまくバランスを取って、両立していきたいです」

── ’19-’20シーズンの目標は何ですか? また北京冬季オリンピックへ向けてのモチベーションは?

「スポーツ選手であれば、オリンピックでチャンピオンになりたいという夢は、みんな持っていると思います。それが自分のモチベーションになっていることは確かです。ただそれが“実現するかどうか”ということはコントロールできることではありませんので、自分ができることは“それに向けてできる限りのことをすること”だけだと思っています。今、世界のトップ10の選手、その誰もが優勝できる力があり、自分はこれまでラッキーで優勝することができたと思っています。みんなもこれからも進化してくると思うので、自分がほかの選手よりも強いと思わず、これからも優勝できるように頑張っていきたいです」

── 4回転ジャンプについてどう考えていますか?

「まず、トリプルアクセルを安定させたいというのがあります。4回転アクセルはユヅル(羽生結弦選手)が先にやると思うので(笑)、それがどうなるかを見てからと思っています。自分としては、昨シーズンは4回転サルコウが良くなかったので、安定させたい。また4回転ループもあまりやっていないのでやりたいですが、ループは自分にとってリスクがあるので、そこまでエネルギーを注ごうとは思っていません」

── 宇野昌磨選手がロシアで、ヴィンセント・ジョウ選手が日本で合宿していますが、チェン選手はほかのコーチのエッセンスを取り入れる予定はありますか?

「僕はコーチのことを信じていますし、尊敬しているので、今そういった動きは考えていません。ただ、みんなの動きは興味深く思っています。エテリ(・トゥトベリーゼ)コーチのところは、今日出演している選手たち(アリーナ・ザギトワ選手、アレクサンドラ・トルソワ選手、アリョーナ・コストルナヤ選手、アンナ・シェルバコワ選手)を見ても、ジャンプもスピンもすごいです。エテリコーチの下で、ショウマ(宇野選手)がどのような進化を遂げるのか興味があります。僕もそれをインスピレーションとして、もらっていきたいです。ヴィンセントに関しても同じで、みんながどう進化していくのか、楽しみにしています」

●坂本花織選手

── オフシーズンは充実していますか?

「ショートとフリー(の振付)をやりながら、エキシビションナンバーも練習していました。やっとエキシビションを滑るアイスショーが終わり、ショートとフリーをしっかり練習できる状態になったので、あとは試合までに仕上げるだけかな、と思っています」

── ショート、フリーそれぞれのポイントを教えてください。

「ショートはステップが本当に難しくて、何回もコケたり(転んだり)していてやっとコケずにできた、という状態です。もっと練習して、キレよくやりたいなと思っています。フリーは曲の感じとしては“かっこいい系”というのはショートと同じなのですが、ショートはアップテンポで、フリーは暗い感じです。まぁ、ブノワ(・リショー)さん(の振付)なので全部難しいですけど…(苦笑)。頑張りたいなと思っています」

── トリプルアクセルの進捗状況はいかがですか?

「うーん…(悩)。前は“回りきる練習”をしていたので、軸がブレブレで、コケる前提で跳んでいましたが、(合わせた手のひらを斜めに倒して)コケる直前がこんなんだったのが、(斜めの手を真っすぐにして)だいぶこうなってきたので、ちょっとは成長したのかな、と思います。ショートはリスクが高すぎるので、フリーの最初に1回(トリプルアクセルを)入れようかなと思っています」

── ’19-’20シーズンの初戦まで、どう過ごしたいと思っていますか?

「あと2カ月くらいで試合が始まってしまうので、短い期間ですがしっかり練習して、レベルアップしたいです。昨年は結果を求めすぎて失敗ばかりしてしまったので、今年は気持ちの思うままに、体が動くままに、やりたいなと思っています」

── まだ安定していないトリプルアクセルを構成に入れるのはなぜですか?

「いつも“入れる”といって入れていなかったので、今年は失敗を恐れずに挑戦しようかなと思いました」

── ’19-’20シーズンの目標を教えてください。

「全日本(選手権)連覇、世界選手権の表彰台を目指したいです。(今季は)昔のように前を走っている人を追いかけながら、昨年ほど(結果のことを)考えずに、自分らしさを全開にしてやりたいです」

●紀平梨花選手

── オフシーズンは充実していますか?

「充実していて一瞬だったな、と。ショート、フリーの振付と4回転(ジャンプ習得のため)の合宿に行ったり、韓国のアイスショーや『ファンタジー・オン・アイス2019』に出たり、充実した日々をおくってきました」

── 4回転ジャンプの成功率はどのくらいでしょうか?

「頑張って跳ぼうと思った時に、1度目か2度目で跳べることが多くなってきました。試合ではすぐに跳ばなければいけないので、初めに跳べるということはいい傾向なんじゃないかな、と。4回転サルコウを練習することで、いつもと違うところが張ってきたりというのがあるので、そういうところを意識しながら、痛みを修正しながらできたらいいなと思います」

── シーズン序盤から4回転ジャンプを入れていく予定ですか?

「今は4回転ジャンプが1発目に入っています。1試合目から安定感が出せたらいいなと思います」

── これから初戦までどんな練習をしていきますか?

「昨年(昨季)の目標としている演技よりも、自分が目標としている演技のレベルが高くなってきているので、試合までまだまだ長いなという感じではなく、試合が始まるまでには完璧にもっていかないと。『時間がない、時間がない』という日々で、まだまだすることがいっぱいです。構成も難しいですし、ショートも挑戦的な音楽です。良い状態でシーズン(初戦)を迎えられるように、急いで練習しています」

── フリーの曲について教えてください。

「曲がたくさん入っていて、ベースの曲がないような感じなので、『インターナショナル・エンジェル・オブ・ピース』という名を(トム・)ディクソン先生が付けました。静かな感じで始まって、途中からはたくさんの宗教音楽が混じって、それらをまとめたような曲になっています。すごくテーマが難しくなってしまったんですけど…。ディクソン先生から表現について細かく指導を受けているので、(観客に)場面を思い浮かべてもらえるように、しっかり表現していきたいです」

<放送情報>


【生中継!フィギュアスケート 紀平梨花 坂本花織 ネイサン・チェン ザギトワ出演 Dreams on Ice 2019】

◆7月13日(土) TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ 午後6:00~9:30 (再放送)

<雑誌情報>


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