自宅用の商品も充実、「少量・小分けパック」も 横浜の百貨店で中元商戦ピーク

横浜高島屋で人気を集めている「横浜・神奈川ギフト」のコーナー=横浜市西区

 横浜市内の百貨店で中元商戦がピークを迎えている。各店ともここまでの売り上げは前年並み。近年は消費者のニーズが多様化していることや自家需要が高まっていることから、各店は嗜好(しこう)品を増やしたり、新商品を用意したりと工夫を重ねながら商品をPRしている。

 6月下旬、横浜高島屋(同市西区)のギフトセンターは開店直後にもかかわらず、大勢の買い物客で混み合っていた。

 中でも人気を集めたのは横浜や県産の商品を集めたコーナー。店頭で点心を試食した同市在住の主婦は「中華街の点心はやっぱりおいしい。贈り物だけではなく、自分へのご褒美として買いたい」と飲茶(ヤムチャ)の詰め合わせを手にした。

 「横浜市民は『横浜が好きで横浜のものを食べてもらいたい』という方が多い」と田中浩一副店長。今年はゼリーの詰め合わせやフローズンフルーツバーなどの新商品を含め、約120種類の横浜・神奈川ギフトを用意した。

 同じく神奈川のグルメを押し出す京急百貨店(同市港南区)は、地元の菓子や茶など好きな商品二つを自由に組み合わせできる「かながわ個箱」を復活。三浦メロンや葉山牛など、京急沿線沿いの商品も多く取りそろえた。

 また、年配者や単身世帯への贈り物が増えていることから「カラダにやさしい少量・小分けパックギフト」を充実。国産大豆100%の絹ごし豆腐を使用した「豆腐アイス」、砂糖を一切使わない「麹(こうじ)プディング」など健康に配慮したギフトが並ぶ。

 横浜市内の主要百貨店で最も早くギフトセンターを開設したそごう横浜店(同市西区)は、「国産レモン」をテーマ商材としているが一部がすでに品切れとなるなど人気を呼んでいる。

 自家需要の高まりの影響から、自宅用の商品も充実。今年は、うなぎの蒲(かば)焼きをカットした「うなぎ蒲焼きざみ」など夏を意識した商品を購入する人が多いという。

 6月28日からは恒例の夏のセールがスタートしており、同店は「セールに合わせて来店する方がギフトセンターにも立ち寄られるのでは」とさらなる集客増を期待している。

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