ゴリゴリのポストロックやっていました
──LOFT HEAVEN初登場となりますので、自己紹介がてらバンド名「Gecko & Tokage Parade」の由来を教えてください。
佐藤:自分のソロアーティスト名で「Gecko(ゲッコー)」と言って活動しているのですが、元々はバンドプロジェクトという形で始まって最初はサポートメンバーで始めました。そして、最初に自分が主催したイベント名が「Tokage Parade(トカゲバレード)」だったので、それを名前を合体させて「Gecko & Tokage Parade(ゲッコーアンドトカゲパレード)」というプロジェクト名にしました。今は「Gecko」と「Tokage Parade」分かれているわけではなく、一つのバンド名として活動しています。
──活動初期はどのようなメンバーだったのですか?
佐藤:最初のメンバーから現在のドラムとギターが違っていて、5年前ぐらいにドラムに穴山昴が入って、今年の初旬にギターの太郎(黒澤継太郎)が入って現編成になりました。
──ベースは?
中山:最初からです。
佐藤:オリジナルメンバーです(笑)。
一同:超オリジナルメンバー(笑)。
──ベースが入った時、中山さんは何歳だったのですか?
中山:僕が入った時は高校生3年生で18歳です。
──どこで出会ったのですか?
佐藤:元々は親のつながりというか、お互いの親が同じビルにそれぞれの職場があって、話してみたらお互いの子供が音楽やっているという話になり、ちょうど自分がベースを探していたので親から紹介を受けて引き入れました(笑)。
中山:一応、オーディションを受けて。
佐藤:簡単にね。
──高校生と一緒に演奏するってすごいですね。その頃、佐藤さんは何歳だったのですか?
佐藤:その時は23歳~24歳ぐらいだったのと、ドラムも当時は地元繋がりの大学生を入れてって感じでしたので。そんなに違和感なく。
──そのメンバーで音源出そうとかはあったのですか?
佐藤:ソロで演奏していた延長で深く考えず、自分のソロ音源のリリースパーティーのイベント名を「Tokage Parade」としてバンド名も無かったのですが、やってみたら良かったのでバンドとしてやり始めました。もう、それから5年~6年ぐらいですかね。
──バンド活動で目指していたジャンルはありましたか?
佐藤:ゴリゴリのポストロックやっていました。
中山:ポストロックでしたね。
佐藤:あとシューゲーザーなど、自分がそういうジャンルが好きだったので。ただ、メンバーのエゴが出始めてからそれぞれのメンバーにアレンジを任せるようになってからは現在の形にシフトしていきました。
バンドにアコースティックセットが存在しない
──参考にしたバンドとかいましたか?
佐藤:あまり無かったですね。自分が作曲していたエレクトロニカやアンビエントをバンド編成で行うっていう形でしたから曲調もフワッとしていましたし、メンバーそれぞれの弾きたいことを取り入れていたら現在の形になっていた感じです。その方がクオリティーが良いというか餅屋は餅屋じゃないですけど、それぞれのパートに任せた方が結果的に良かったので。
──アレンジも凝っているので相当コンセプトありきだと思っていたのですが。
佐藤:ソロは割と凝っていますが、バンドに関しては「こんなにノンコンセプトでいいのか?」ってぐらいで。
──作品のリリースのタイミングはどんな風に決めていますか?
佐藤:曲が溜まったら…(笑)。自分がレーベルをやっいてるというのもあるのですが「そろそろ曲あるからリリースしよう」と。最初はジャズの要素は意識してなかったのですがタワーレコードの方が我々を見つけてくれて「ジャパニーズ・ジャズのところに置いたら売れるんじゃないかな?」って言葉もあったりで。それまではジャズ色は無かったです。
中山:ふんわりしてた(笑)。
佐藤:ジャンルがふんわりしていて、ただのインストゥルメンタルでしたが1stCDを置く場所をジャパーニーズ・ジャズコーナーにしてから、バンドサウンドもそうなっていったというかクラブジャズ系というか。そうしていくうちに幸いにもジャンルと自分たちが合ったというか。ドラムの穴山昴やベースの中山もジャズが好きだし僕もジャズ好きでしたので。
──タワーレコードでインストアライブもよくやられていますよね。
佐藤:インストアはこちらからお願いしたり、呼ばれたりとタワーレコードやヴィレッジヴァンガードなどでやっていますね。
──お客様の反応はどうですか?
佐藤:店内より外での反応面白いですね。
──外!? 外ですか?
穴山:インストアとうたって、建物の2階のエントランス部分とか。敷地内だけど路面部分とかで。
佐藤:通る人の数が違いますからね。名古屋では立ち止まってくれたり、大阪は面白かったですね「なんばパークス」でやったり。
中山:苦情が来たり(苦笑)。
佐藤:ライブが終わった後に「音量がギリギリアウトでした」って言われました。
穴山:当初は店内の予定だったのですが、敷地内の広場みたいなところに前日に使ったステージが偶然残ってて使わせてもらったんですが。
佐藤:ダメだったみたいです。
穴山:その時、他のテナントのイベントに羊が来ていて「そこにストレスだから」って理由でダメだったみたいです。
佐藤:そうだったんだ!
一同:(爆笑)
佐藤:羊には申し訳ないことしました。
──場所にとらわれず自由にライブを行っていますね。
佐藤:ライブハウスもやりますし、場所によって色んな曲でセットリストを組めるのは強みですね。
──ライブハウスからインストア、ジャズ系の会場やホールライブまで幅広く活動されているアーティストって珍しいですよね?
佐藤:なかなか気付かれてないんですが…あと、ドラマーの拘りでもあるのですがバンドにアコースティックセットが存在しないんです。小さい場所だからってカホンにしたりやエレキギターをアコギにする考えがなく、20人キャパから何百人まで同じ形で行えるのは強みです。
──幅が広いとイベントなどオファーしやすいですもんね。
佐藤:あと、歌物バンドとの対バンに呼ばれることが多いです。
──そうなのですか?
佐藤:歌物がいる中でインストバンド入れたいって時に呼ばれますね。メロがキャッチーっていうのがあるとは思うのですが。
──確かにキャッチーですね。そう言えば新メンバーの紹介加入ありましたね。
佐藤:今年1月から入りました!
黒澤:昨年末にゲッコー(佐藤)さんから連絡きて「来月この日とこの日空いてる?」って言われて。2週間後みたいな。奇跡的にその日程が空いていたという。
佐藤:何も言ってなかったので、演奏の仕事とか前から一緒にやりたいねって会話してたのでそれだと思ってたみたいですね。
黒澤:後でわかったのがワンマンでのギターの誘いだったという(笑)。
佐藤:3週間で15曲いける? って聞いて。順次楽譜を送るって言って。
黒澤:年末年始で全然、譜面来なくて(苦笑)。
一同:(爆笑)
黒澤:実質、曲を覚えるの10日間ぐらいだったんですが何とかなりました。
佐藤:それで最初はサポートでって感じでだったんですが、新たらしいアー写を撮るときに一緒にいて「入る?」って聞いて「はい」って言ったのでメンバーになりました。
──かなり逞しい話ですね。さてYasei Collectiveとの対バンですが面識は前からありましたか?
佐藤:町田でセッションイベントをマサナオ(松下マサナオ)さんが行なっていたので、見に行ったり。もともとドラムの昴が面識があったり。
穴山:以前、楽器屋で働いている頃に楽器屋に来て古着屋に行って。
──古着屋?
穴山:最初はドラムのヘッドを探していて話しているうちに仲良くなって、お店近くの古着屋を紹介したり。マサナオさんがその古着屋で買った服がドラムマガジンの表紙で着ていた服だったり(笑)。
佐藤:ドラムの繋がりから紹介受けてって繋がった感じですね。
──意外な繋がりがあるのですね! 共通の関係もあり、今回のライブに向けての意気込みを教えてください!
佐藤:同じインストバンドですが、良い意味で共通点がないので面白い組み合わせだと思います。ガチツーマンって感じです。
黒澤:ギターが今年から変わりましたので注目してもらいたいなと。エッセンスが違うので好みが分かれるかもですが楽しんでください。
中山:リスペクトしつつ噛みつかせていただきます!
穴山:頑張ります。マサナオさんのドラムの調整も。