【訃報】日本人唯一のマン島TTレース勝者、伊藤光夫さん亡くなる

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 スズキの社員ライダーとして活躍し、イギリスのマン島で行われる世界最古の2輪レース、マン島TTレースを制した唯一の日本人ライダー、伊藤光夫さんが7月3日に亡くなった。82歳だった。

 伊藤さんは、1937年1月1日生まれの静岡県出身。1959年から1969年にロードレース世界選手権(WGP、現MotoGP)をはじめとした国内外のレースで活躍した。1963年には、マン島TTレースで日本人として初めて優勝する偉業を達成する。マン島TTレースを制した日本人ライダーは現在も伊藤さんただひとりだけだ。

1963年のマン島TTレース50ccクラスにスズキRM63で参戦し優勝した伊藤光夫さん
日本人で唯一、マン島TTレースで優勝を挙げた伊藤光夫さん

 レース引退後も伊藤さんはスズキのレース活動に携り、レース車両の開発や、1993年にWGP500ccクラスチャンピオンを獲得したケビン・シュワンツなどのライダー育成を担当。また、日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)の技術委員も務めるなど、国内二輪レースの普及と発展にも貢献した。

 2018年にはMFJが日本のモーターサイクルスポーツの歴史を後世に伝え、輝かしい実績のあった選手を顕彰するために設立したMFJモーターサイクルスポーツ殿堂の第1回殿堂顕彰者に選出。2018年12月に行われたMFJアワードでは、同じく第1回殿堂顕彰者に選出された高橋国光さんとともに顕彰式に登場し、記念のクリスタルトロフィーと花束を受け取っていた。

 伊藤さんの訃報にスズキは「伊藤光夫氏の偉大な功績と、モータースポーツにかけた情熱に敬意を表するとともに、謹んで哀悼の意を表します」とコメントを発表している。

MFJモーターサイクルスポーツ殿堂の第1回顕彰者に選ばれた高橋国光さん(左)と伊藤光夫さん(右)
2018年12月に行われたMFJアワードで顕彰された伊藤光夫さん