「アメリカで頑張る」難病女子高生、募金集まり肺移植へ

会見で笑顔を見せる田村真子さん=東京都三鷹市の杏林大学医学部付属病院

 肺の難病に苦しむ県立相模原高校2年の田村真子(まこ)さん(16)=相模原市中央区=が肺移植手術を受けるための募金額が目標の1億9千万円に達し、早ければ今月中旬にも手術のために渡米することが決まった。田村さんは3日、入院先の東京都三鷹市の病院で会見し、全国に広がった善意の輪に感謝した。

 田村さんは「やりたいことをいっぱいやるため、アメリカで頑張りたい」とあいさつ。今は英語の勉強に力を入れており「不安なこともあるが、病院で何をしゃべろうか、楽しみな事もあってとてもわくわくしています」と笑顔を見せた。

 主治医の杏林大循環器内科の佐藤徹教授によると、田村さんは中学1年の時に、細い肺動脈の壁が厚くなり血液が流れにくくなる国の指定難病「肺動脈性高血圧症」と診断された。病状が悪化し残された治療法は肺移植しかないが、国内では提供者(ドナー)が少なく移植の見込みが立たないため、米国での肺移植を決断した。

 その渡航手術費用を賄うため、高校のクラスメートら支援者が「まこちゃんを救う会」(島田浩子代表)を2月に結成。各地で募金活動に取り組み、4月にはチャリティーコンサートを開催してきた。

 田村さんには大好きなアニメを作り、つらい状況にある人に希望を与えたいという夢があるという。母の久視子さん(52)は涙ぐみながら「多くの方々の温かい支援のおかげで手術ができるようになった。娘の夢がかなえられるよう支えていきたい」と語った。

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