台湾、大量の北朝鮮製密輸タバコを摘発

台湾最大の貿易港、高雄港で大量の北朝鮮製タバコがコンテナから発見・没収されたと、現地メディアの自由時報が報じている。

リベリア船籍の貨物船、メッシーニ号はベトナムのホーチミン港を出発し、中国に向かう途中で高雄港に入港した。高雄税関が探知犬で検査を行ったところ、この犬が積み荷がプラスチックパレットと申告されていた40インチのコンテナの前で座り込んだことから、内容物の検査が行われた。

中からは鴨緑江1000カートン、アリラン400カートンなど、5000万元(約17億5000万円)相当のタバコが発見された。高雄税関は虚偽申告との理由で全量を没収し、今後処分する。なお、台湾で北朝鮮製タバコの密輸が摘発されたのは今回が初めてだ。

中国に運ばれる予定だったこれらのタバコの中には、台湾政府国民健康局の警告メッセージが書かれているものもあった。税関当局は、高雄港で積み荷が入れ替えられた可能性を指摘した。

船舶の位置情報をリアルタイムで表示するウェブサイト、マリン・トラフィックとベッセル・ファインダーによると、この船はこの船は台湾とベトナム、香港を頻繁に行き来しており、摘発後に出港、ホーチミン港に向かい、1日に高雄港に戻っている。

国際社会の制裁で鉱物、水産物などほとんどの主要輸出品がブロックされてしまっている北朝鮮。そんな中でタバコは、制裁対象とならない数少ない製品だ。


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