スマホから119番、動画で現場状況通報 事故や災害で映像通報システム

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動画を使って現場の様子を伝えられる通報システム=神戸市中央区磯上通2

 地図情報システム開発のドーン(神戸市中央区)は、スマートフォンから119番を受けた消防本部が、事故現場やけが人の状態を動画で把握できる映像通報システム「Live(ライブ)119」を開発した。通報者側は専用のアプリなどを事前にダウンロードする必要がないため、簡単に利用できるのが特長。今後5年以内に全国の消防本部の3割に当たる約200本部での導入を目指す。(中務庸子)

 同システムは、ビデオ通話機能を使って通報者と消防本部などがやりとりする。映像により事故の状況を客観的に把握でき、傷病者の脈拍、呼吸状態の確認作業や応急処置などの口頭指導もスムーズに実施できる。映像は救急隊にも共有可能で、現場到着までに最適な準備を整えやすくなる。

 同社によると、動画通報は迅速で的確な出動につながるとして、以前から消防関係者の間で要望する声があった。気が動転している通報者も多く、会話だけで状況を詳しくつかめないことがあるためだ。

 だが、一般市民にとって通報の機会はそう多くなく、スマホに専用アプリを事前にダウンロードしてもらうのは現実的ではない。そこで、通報を受けた消防が必要と判断した場合に、携帯電話番号を宛先にしてメッセージを送る「SMS(ショートメッセージサービス)」で動画通報システムのURLを送信。通報者がURLをクリックしてページを開けば、すぐにシステムが起動する仕組みを考案した。

 消防白書によると、2017年中の通報の内訳は携帯電話からが最も多く4割を超えている。同社は動画の通信速度が向上する第5世代(5G)移動通信システムの普及を見越し、大規模な災害現場などでの活用も視野に、導入先を広げていく計画だ。