れいわ山本太郎氏、元モー娘。、徳川宗家… 【話題の候補】参院選(1)

参院選比例区での出馬を表明する山本太郎氏(右)とALS患者の船後靖彦氏(左)=2019年7月3日

 参院選が公示された。老後資金「2千万円」の年金不安問題、10月の消費増税、そして憲法改正…。歴代最長政権に近づく安倍首相に有権者はどんな審判を突きつけるか。21日の投開票まで17日間。話題、注目の候補を取り上げる。

 ▽既存政党への挑戦

 ネットでの寄付金がわずかな間に「2億円」を超え、注目を集めた政治団体「れいわ新選組」(山本太郎氏代表)。2013年の東京選挙区で自民2番手の候補を上回る約67万票を獲得した山本氏は公示前日の3日に比例区からの出馬を表明。しかも、個人の得票に関係なく優先的に当選する「特定枠」を活用してALS患者の船後靖彦氏を1位、重度障害者の木村英子氏を2位として擁立することを明らかにした。比例で少なくとも3人以上当選しなければ自身は落選となる「背水の陣」。「障がい者への『合理的配慮』を徹底」、消費税廃止などを掲げる。独特の選挙戦。この意思表示に有権者はどう反応するか。街頭での反応はいい。

 ▽タレント、著名人

左から市井紗耶香氏、山本左近氏、にしゃんた氏

 アイドルグループ「モーニング娘。」元メンバーの市井紗耶香氏は、立憲民主党比例代表の候補として初の国政進出を目指す。4日、JR新宿駅で「政治の世界に子育ての当事者が少なすぎる」と第一声を上げ、子育て世代への経済的な支援策を拡充させたいと抱負を語った。14歳から2年間、「モーニング娘。」として活動。20歳で長女を出産し、現在は4人の子どもの母親だ。立民では市井氏のほか、元格闘家の須藤元気氏、「筆談ホステス」として知られる斉藤里恵氏らを擁立。自民は比例に元F1ドライバーの山本左近氏を、国民民主はスリランカ出身のタレント、にしゃんた氏を立てた。

 ▽家康像の前で

参院選が公示され、徳川家康像の前で気勢を上げる徳川家広氏。左は立憲民主党の蓮舫参院幹事長=2019年7月4日、静岡市

 徳川宗家19代目で評論家の徳川家広氏は、静岡選挙区で立民として初の議席獲得を目指す。江戸幕府初代将軍の徳川家康が晩年を過ごした駿府城跡の公園で「江戸の平和が生まれた場所だ。私たちの知る平和は全てここ静岡から始まった。この平和を壊してはならない」と第一声を上げた。徳川氏は葵の紋入りののぼりを掲げ、家康の銅像前で演説。「国民のほとんどが経済をどうにかしてと言っているときに安倍(晋三)さんは改憲が争点だと言っている。だから私は受けて立ちます」と力を込め、応援に駆け付けた蓮舫参院幹事長らと気勢を上げた。

 ▽鈴木宗男氏

参院選が公示され、出陣式を前に支持者と握手する鈴木宗男氏=2019年7月4日午前、北海道根室市

 政治団体「新党大地」代表の鈴木宗男氏は日本維新の会比例代表候補として衆院議員失職以来、9年ぶりの国政復帰を目指す。4日午前、本土最東端に位置する根室市の納沙布岬の展望塔内で出陣式を行い「政治家として最後の男の戦いに挑む。集大成として、いま一度、国政の場で働く機会を与えてほしい」と呼び掛けた。自身が長年取り組んできた北方領土問題について「(解決に向けて)必ず結果を出す」と強調。公文書改ざんや統計不正問題にも触れ「政治に喝、官僚に喝」と、支援者らと一緒にシュプレヒコールを上げた。

(構成 共同通信=柴田友明)

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