ヤクルト村上が早くも20号に到達 中西太、清原らの高卒2年目記録を超えるか?

ヤクルト・村上宗隆【写真:荒川祐史】

3日の広島戦で20号満塁ホームランを放った村上

 ヤクルトの2年目、村上宗隆は7月3日の広島戦で20号満塁ホームランを打った。今季の村上は2年目、19歳の選手としては球史に残る成績を記録する可能性がある。

○高卒2年目までの選手のシーズン本塁打記録。戦前は学制が違うため含めない。()は当時の所属球団/生年月日。早生まれの選手の3年目は含めない。

1 中西太(西鉄/1933年4月11日)1953年 36本塁打 120試合
2 清原和博(西武/1967年8月18日)1986年 31本塁打 126試合
3 清原和博(西武/1967年8月18日)1987年 29本塁打 130試合
4 豊田泰光(西鉄/1935年2月12日)1953年 27本塁打 115試合
5 松井秀喜(巨人/1974年6月12日)1994年 20本塁打 130試合
5 村上宗隆(ヤクルト/2000年2月2日)2019年 20本塁打 78試合
7 豊田泰光(西鉄/1935年2月12日)1954年 18本塁打 134試合
7 高山忠克(国鉄/1944年5月18日)1964年 18本塁打 127試合
9 王貞治(巨人/1940年5月20日)1960年 17本塁打 130試合
9 森友哉(西武/1995年8月8日)2015年 17本塁打 138試合

 1位は西鉄の中西太が2年目に記録した36本塁打。これに続いて西武の清原が1年目、2年目に記録した31本、29本、さらに西鉄の豊田泰光の27本、巨人の松井秀喜の20本と続く。9位タイの巨人、王はまだ「二本足打法」の時代だ。現役では2015年の西武、森友哉が王と並ぶ9位タイだ。

 村上は高卒2年目まででは史上6人目の20本塁打を記録。まだ残り試合は65試合もある。このペースでいけば清原の31本を抜いて、中西太の記録に迫る可能性が大いにある。10傑のうち中西、豊田、松井、王が殿堂入りしている。村上は歴史的な大打者に伍して名前を連ねている。

 村上は現在61打点だが、この分野でも大記録を作る可能性がある。

○高卒2年目までの選手のシーズン打点記録。

1 中西太(西鉄/1933年4月11日)1953年 86打点 120試合
2 清原和博(西武/1967年8月18日)1987年 83打点 130試合
3 清原和博(西武/1967年8月18日)1986年 78打点 126試合
4 土井正博(近鉄/1943年12月8日)1963年 74打点 150試合
5 王貞治(巨人/1940年5月20日)1960年 71打点 130試合
6 小玉明利(近鉄/1935年6月10日)1955年 68打点 129試合
6 森友哉(西武/1995年8月8日)2015年 68打点 138試合
8 榎本喜八(毎日/1936年12月5日)1955年 67打点 139試合
9 榎本喜八(毎日/1936年12月5日)1956年 66打点 152試合
9 松井秀喜(巨人/1974年6月12日)1994年 66打点 130試合

 打点も1953年の中西が1位、続いて清原だが、4位には「19歳の4番打者」で売り出した土井正博が続く。なお、ここには含まれないが、戦前、巨人の川上哲治は19歳の1939年に75打点を記録している。

 村上は78試合で61打点。現時点では14位だが、残り65試合を考えれば、並み居る先輩選手を押しのけて、トップに躍り出る可能性が高い。また村上は、2位のDeNAソトに8点差をつけてセ・リーグ打点トップだが、打点王をとれば1953年の中西に次いで史上2人目となる。

 今季のヤクルトは将来の大砲候補として村上を抜擢した。打率は.230と低いが、大きなスランプなく本塁打を量産している。同世代では清宮幸太郎が注目されたが、オールスター戦にも選出され、一足早くスターダムに躍り出そうだ。怪我、故障だけが心配だが、最終的にどんな成績を残すだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2