リーダーは信頼できるAIプラクティスの責任を取り、行動を起こす必要があるとPwC

リーダーは信頼できるAIプラクティスの責任を取り、行動を起こす必要があるとPwC

AsiaNet 79530 (1241)

【大連(中国)2019年7月4日PR Newswire=共同通信JBN】PwCの最新報告によると、人工知能(AI)の15兆7000億ドル(注1)と推定される潜在的経済力は、組織が信頼できるAIプラクティスを統合し、それが開発される前に考慮されて初めて実現される。

PwCが今週発表した新しいツールキットによると、AIの開発と統合への個別的アプローチに対処するため、組織は信頼できるAIプラクティスの徹底した理解、開発、統合に留意する必要がある。

PwCは、組織がAIの具体的な戦略、設計、開発、展開に焦点を合わせ、それに合致するために必要な5つの要因を特定した。それらは、ガバナンス、倫理・規則、解釈可能性・説明可能性、ロバスト性・セキュリティー、偏向・公正である。

これらの要因は、戦略的計画およびガバナンスをAI開発に組み込み、公正、信頼、アカウンタビリティーへの高まる社会的関心に対処することに焦点を合わせている。

今年初め、最高経営責任者(CEO)の85%は、AIが今後5年間にビジネスを遂行する形態を大幅に変えると語り、84%はAIベースの意思決定が信頼されるためには説明可能でなければならないことを認めた(注2)。

PwC USのグローバルAIリーダーであるアナンド・ラオ氏は今週、大連で開催された世界経済フォーラムでの講演で以下のように語った。

「AIにおける倫理および義務の問題が大多数のビジネスリーダーにとって関心事であることは明白である。Cスイートは、AIが企業や社会にもたらす1世代に1度しかないような変革と経済的な潜在利益を両立させるために、責任ある倫理にのっとったAI開発に向けた戦略の徹底した統合を積極的に推進し、これに関与する必要がある。1つの要因でも欠ければ、名声、事業、財政に根本的なリスクが生じる」

PwCのResponsible AI Toolkitに掲載された診断調査によって、組織は責任ある倫理的なAIプラクティスの理解度と活用を評価することができる。2019年5月と6月、AIの開発および展開に関与した約250人の回答者がこの評価に答えた。

その結果、責任ある倫理的なAIプラクティスの理解および活用において未熟さと一貫性の欠如が明確になった。

*回答者のわずか25%がAIソリューションを実装する前にAIソリューションの倫理的影響の考慮を優先すると答えた。
*5人に1人(20%)はAIに付随するリスク特定のために明確に規定されたプロセスを設定している。60%以上は開発者、略式プロセスに依存するか、ないしは手順書を持っていなかった。
*倫理的なAIフレームワークあるいは検討事項はあるものの、実施は一貫性がなかった。
*56%は、組織のAIが異常なことをした場合、その原因を明確に説明することが難しいと答えた。
*半数以上の回答者は、AIの変更を評価するアプローチを規定していないとし、知識、ツール、特別評価の欠如を上げた。
*AIを大規模に活用している39%の回答者は、AIが暴走した際にAIを停止する方法を知っていることについて「多少は」自信があるに過ぎなかった。

PwC USのグローバルAIリーダーであるアナンド・ラオ氏は以下のように語った。
「AIはチャンスをもたらすものの、信頼性とアカウンタビリティーに関する固有の課題も生じさせる。AIの生産性における利点の実現に成功するには、組織的な全従業員の戦略とプランニングを統合する必要がある。Cスイートにとって絶対に必要なことは、組織における現在および将来のAIプラクティスをレビューし、潜在的リスクに対処するだけでなく、適切な戦略、コントロール、プロセスが整っているかどうかを確認する質問を投げ掛けることである」

「AI意思決定は人間が下すものと異なっていない。それぞれのケースで選択を説明し、関連コストと影響を理解できることが必要である。これは、偏向の検知、補正、説明、安全かつセキュアなシステム構築のための単なるテクノロジーソリューションではない。それは、ビジネスに与えるテクノロジーの影響の倫理および責任の要因を考慮に入れた新しいレベルのホリスティックリーダーシップを必要とし、それは初日からスタートする」

さらに大連で開催された世界経済サミット昼食会で、PwC Chinaのグローバル・テクノロジー、メディア&テレコミュニケーションズ・リーダーであるウィルソン・チョウ氏は以下のように付け加えた。

「責任あるAIの基盤は徹底したエンタープライズ・ガバナンスである。アカウンタビリティー、アラインメント、コントロールに関する質問に答えるための組織の能力は、中国の野心的なAI成長戦略を達成するための決定的な要因である」

PwCのResponsible AI Toolkitは、柔軟でスケーラブルな一連のグローバル能力で構成され、組織におけるAIの評価および開発を実現、サポートするように、固有のビジネス要件およびAI熟成度のレベルに合致した形で設計されている。

編集者注意

1. 約250人の上級企業幹部が2019年5月と6月にPwCのResponsible AI Diagnostic調査に応じ、Responsible AIの5つの主要要因であるガバナンス、倫理・規則、解釈可能性・説明可能性、ロバスト性・セキュリティー、偏向・公正に対する各社のAIソリューションの開発、展開、現行の管理について評価した。PwCのResponsible AI Toolkitに関する詳細はウェブサイトwww.pwc.com/rai を参照。
2. AI投資で確認された1次的要因としては、効率性の実現、持続可能な意思決定(AI for Good)のサポート、収益増大、イノベーション、リスク緩和である。
3. 2017年、PwCは、世界のGDPがAIの恩恵を受け、2030年に14%増大すると予測した。増大分は15兆7000億ドルに匹敵する。詳細はウェブサイトhttps://www.pwc.com/gx/en/issues/data-and-analytics/publications/artificial-intelligence-study.htmlを参照。
4. World Economic Forum Annual Meeting of the New ChampionsへのPwCの関与ついては、ウェブサイトvisit www.pwc.com/amnc を参照。

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(注1)PwCのGlobal Artificial Intelligence調査であるSizing the Prize
(注2)PwCの22回目のGlobal CEO Survey

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ソース:PwC