病の父に晴れ姿見せた「夢婚」 真備の病院で岡山の夫妻が挙式

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「夢婚」で式を挙げた小笠原沙也加さんと直生さん(中央の2人)

 さまざまな事情で結婚式を挙げていない夫婦に人前式をプレゼントする企画「夢婚」(岡山ウエディング協議会主催)が4日、倉敷市真備町川辺のまび記念病院で開かれた。「闘病中の父親に晴れ舞台を見てもらいたい」と応募した岡山市の夫妻が、改めて変わらぬ愛を誓い合った。

 式を挙げたのは、同市北区の会社員小笠原直生さん(30)、沙也加さん(29)夫妻。2017年9月に入籍したが、沙也加さんが再婚の直生さんを気遣い、式は挙げなかったという。

 応募のきっかけは、沙也加さんの父(53)に今年3月、重い肺腺がんが見つかったこと。見舞うたびに痩せていきながらも「絶対に生き残り、孫をキャンプに連れて行きたい」と希望を捨てない姿に、直生さんが「結婚式を見てもらい、気力を後押ししたい」と申し込んだ。

 4日は夫妻の親族や友人約70人のほか、病院の入院患者らも出席。直生さんに続き、父にエスコートされて入場した沙也加さんが「手を取り合い病と闘いましょう。子どもが生まれたら成長を見守ってほしい」などと涙を浮かべながら手紙を朗読。2人は「優しさあふれる家庭を築く」と誓いを述べ、指輪を交換した。参列者は涙ぐんだり笑ったりしながら温かく祝福した。

 式を見守った同病院に入院している女性(77)=倉敷市真備町地区=は「心が明るくなった。2人の幸せが続くことを祈っています」と話した。