最古級、鎌倉期の神輿金具発見 京都・北野天満宮の祭礼彩る

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北野祭の神輿を飾った金具。板金具は鎌倉時代に制作されたものが含まれる(4日、京都市上京区・北野天満宮)

 応仁・文明の乱(1467~77年)で途絶えた北野天満宮(京都市上京区)の勅祭「北野祭」で、祭礼行列の神輿(みこし)を飾った鎌倉時代から室町時代ごろの金具約30件が見つかったと天満宮が4日発表した。神輿の金具では現存最古級になり、文様や技法の違いを通じて装飾表現の変遷も分かる。天満宮は約550年ぶりの行列再興にも生かす。

 金具は神輿を飾る用途で作られ、銅に鍍金(ときん)していた。屋根下を飾る透かし彫りの板金具(縦3.5~4.5センチ、横35~37センチ)は空想上の花「宝相華(ほうそうげ)」をあしらった古い様式で、下部には青色や赤色などの細かなガラス玉を取り付けている。ほかには神を守るチョウの形にしたり、天満宮ゆかりの梅の紋を刻んだりした金具もあった。神輿を定期的に新調・修復する慣行で保管されたとみられ、昨年末に境内の収蔵庫で見つかった。

 調査に協力した金工に詳しい久保智康京都国立博物館名誉館員は計3件あった板金具のうち1件が鎌倉期に作られ、2件が室町期に模して制作されたとみる。「最も古い板金具は平安時代後期に流行した宝相華の文様を相当踏襲して平安の香りはするが、技術的にはやや厳しく鎌倉期だろう。京都市内にある神輿は江戸時代がほとんどで、現存最古とされる鞆渕(ともぶち)八幡神社(和歌山県)の神輿に次ぐ古さになり、中世までさかのぼる飾り金具の発見は意義深い」と説明する。

 北野祭は987年、御霊会の役目も帯びた勅祭として成立したと伝わる。足利義満が保護して室町期に最盛期を迎え、天皇が奉納したとされる神輿2基が渡御し、獅子舞や風流も伴う行列が営まれた。応仁の乱で途絶え、現在は神事のみだが、天満宮は神輿1基を新調し2027年に祭礼行列も再興させる方針だ。

 橘重十九(しげとく)宮司は「この10年間に準備を進めてきた再興の取り組みを令和改元に合わせて本格的にスタートしたい。今回の発見を大切にして荘厳でにぎやかとされた祭礼の再現を目指す」と話す。飾り金具は6日から天満宮で始まる至宝展で公開する。有料。