上半期の交通事故死者67人 神奈川県が全国ワースト、千葉と並ぶ

神奈川県警本部

 今年上半期(1~6月)に神奈川県内で発生した交通事故による死者は67人で、千葉県と並んで全国ワーストとなったことが4日、県警のまとめ(速報値)で分かった。前年同期比で4人減少したものの、他県での減少幅が神奈川より大きかった。歩行中の高齢者が犠牲になるケースや、バイクの死亡事故が目立つ。県警は危機感を強めており、ドライバー、歩行者双方に交通ルールの順守と安全意識の徹底を呼び掛けている。

 県警によると、上半期の死者数は神奈川、千葉が67人で最多。以下、埼玉61人、愛知60人、大阪57人の順に多かった。前年同期比では、愛知の35人減をはじめ、埼玉28人減、千葉24人減など、各県で大幅に減少し、4人減にとどまった神奈川がワーストを記録する結果になった。

 上半期の県内の事故発生件数は1万1388件(前年同期比1468件減)、負傷者は1万3293人(同1952人減)だった。

 県内の死亡事故を状況別にみると、「歩行中」がほぼ半数の32人で、「バイク乗車中」が20人で続いた。年齢別では、65歳以上の高齢者が29人で4割強を占め、うち22人は歩行中だった。高齢歩行者の死亡事故では、信号無視や死角になりやすい車両の前後からの横断など、歩行者側に違反が認められるケースが約6割に達した。

 一方で、県警は横断中の歩行者保護を事故抑止対策の重点に据えており、1~5月に「横断歩行者妨害」で交通違反切符を交付したのは前年同期比約2千件増の6345件に上った。

 県警交通部は「運転者は、乱横断などをする歩行者がいることを想定した上で、細心の注意を払ってハンドルを握ってほしい。歩行者は距離が離れていても横断歩道を確実に利用し、信号無視などもやめてほしい」と訴える。

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