長崎〝夏の陣〟論戦に号砲 各陣営、熱を上げる 令和初の参院選 21日投票日

力強く第一声を上げる(右から)古賀友一郎候補、白川鮎美候補。届け出を済ませ、県庁で報道陣に答える神谷幸太郎候補=いずれも長崎市内

 安倍晋三首相が憲法9条への自衛隊明記に意欲を示し、消費税率の10%引き上げが10月に迫る中、令和初の参院選が4日公示された。現職、新人計3人が立候補を届け出た長崎選挙区(改選数1)でも、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への評価、改憲、消費税、年金問題などを巡る論戦が本格的にスタート。梅雨空の下、候補者らは出陣式や遊説に長崎県内を駆け巡るなどし、21日の投票日に向けボルテージを上げた。
 
 
 ■古賀候補 

 長崎港を一望する長崎県警本部近くの岸壁で出陣式に臨んだ自民現職、古賀友一郎候補(51)は、白いシャツにグレーのジャケット姿でマイクを握り、政治の安定を訴えた。

 主義主張の違いから自民県議団が割れ、選挙戦への影響も指摘される中、懸念を払拭(ふっしょく)するかのように、本県の自民衆参院議員5人も勢ぞろいし、挙党態勢をアピール。県連選対本部長の北村誠吾衆院議員は「相手陣営が期待する県連の分裂ということにならないよう後援会、国会議員、県議、各支部が一緒になって頑張る」と力を込めた。

 第一声で古賀候補は「6年前の参院選で政治の安定を回復し、日本を前に進めてきた」「時計の針を戻してはならない。培った経験を次につなげてこそ、皆さんの役に立てる」と強調。出身の諫早市では国営諫早湾干拓事業に言及し、「司法上のねじれを解消するには請求異議訴訟の高裁判決を最高裁で維持してもらわないといけない」と非開門を訴えた。初日は選挙カーで島原半島を遊説するなどした。

 ■白川候補 

 国民民主新人の白川鮎美候補(39)は、地元である佐世保市内の神社で必勝祈願をした後、長崎市江戸町の出島表門橋公園で第一声。イメージカラーにしている黄色い服に身を包み、“安倍1強”体制の打破へ野党結集を呼び掛けた。

 総合選対長の高木義明県連代表は「傲慢(ごうまん)な政治をする安倍1強体制を許すか許さないかの大切な決戦」と強調。同党の西岡秀子衆院議員が「今、政治に欠けている視点を持った候補者」と白川候補への支持を求めたほか、共闘する立憲民主、社民の県議もマイクを握った。

 野党共同候補として初の選挙に挑む白川候補は第一声で「中学時代、ソフトボール部でエースピッチャーだった」と振り返り、選挙戦をチームプレーになぞらえ、「チームワークを大事に剛速球を投げ、現政権にアウトを突きつけたい」と気を吐いた。

 初日は県央、県北地区を選挙カーで駆け巡るなどし、諫早市では「誰もが望むライフスタイルを実現できる共生社会を目指す」と訴えた。

 ■神谷候補 

 政治団体「NHKから国民を守る党」新人の神谷幸太郎候補(43)は県庁で立候補を届け出た後、報道陣に「訪問員の強引な(NHK受信料)徴収を解消する。(NHK)放送のスクランブル化に向けて動いていく」と訴えた。選挙事務所は設けず、街頭演説、ポスター掲示はしない。選挙期間中は動画投稿サイトで自らの主張を発信する。

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