巡回連絡簿悪用、別住民にも「金貸して」高額詐欺疑いの警官

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京都府警本部(京都市上京区)

 京都府警の警察官が、金融機関から寄せられた特殊詐欺被害防止の緊急通報を悪用し、高齢男性から現金1180万円をだまし取ったとされる事件で、詐欺容疑で逮捕された山科署地域課巡査長の男(38)が「巡回連絡簿を使い、別の高齢者にも金を借りに行った」との趣旨の供述をしていることが4日、捜査関係者への取材で分かった。

 巡回連絡簿は、事件事故の緊急連絡や災害発生時の安否確認に活用する目的で作られるもので、交番員が管轄地域の住民宅を一軒ずつ訪ねて家族構成や年齢、電話番号などの個人情報を書いてもらい、交番で厳重に管理している。金融機関から提供された情報だけでなく、巡回連絡簿が不正利用されたのが事実なら、住民の信頼を裏切る行為として厳しい批判を浴びるのは必至だ。

 巡査長の男は伏見署砂川交番に勤務していた昨年11月、京都市伏見区で1人暮らしをする男性(78)宅を訪れ、「犯罪に関わるお金の可能性がある。預かって捜査する」とうそを言い、2回に分けて計1180万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で先月に逮捕された。

 捜査関係者によると、巡査長の男は逮捕当初、「お金は借りただけ」と容疑を否認していたが、その後の調べに「最初からだまし取るつもりだった」と容疑を認めた。さらに「詐取した現金を使い果たしたので、巡回連絡簿の記載内容を参考にして、別の複数の高齢者にも金を借りに行った」との趣旨の供述をしたという。

 捜査関係者の説明では、巡査長の男は当時、為替相場の上げ下げを予測する金融商品への投資にはまり、金に困っていたという。府警は、巡査長の男が巡回連絡簿の記載内容を基にして、被害者とは別の高齢者から金を手に入れようと画策した可能性があるとみている。一方、実際に金を受け取った形跡は確認できていないといい、供述の信ぴょう性を含めて経緯を捜査している。

 事件を巡っては、昨年11月8日に被害者の男性が金融機関で高額の現金を引き出そうとし、金融機関から府警に「特殊詐欺被害の可能性がある」との緊急通報が寄せられていた。巡査長の男は通報への対応で金融機関に出向き、男性に警察官の身分を示した上、資産情報を聴き出していたという。