候補者の主張まとめ 政治の安定か、1強打破か 2019参院選 長崎選挙区

 自民現職の古賀友一郎候補(51)、国民民主新人の白川鮎美候補(39)、政治団体「NHKから国民を守る党」新人の神谷幸太郎候補(43)=届け出順=の3人が改選1議席を争う参院選長崎選挙区。「政治の安定」を前面に野党共闘を「野合」と批判する古賀候補と、「安倍1強」体制打破を掲げる白川候補による与野党対決を軸に舌戦が繰り広げられている。安倍晋三首相が意欲を示す憲法改正、10月に迫った消費税率引き上げ、年金問題などについて、両候補はどう訴えているのか。遊説や取材などでの主な主張をまとめた。

  争 点 

 古賀候補が争点に位置付けるのは、「政治の安定」「自公政権の継続」だ。公示日4日の第一声では「時計の針を戻してはいけない」と力説。全国で候補者を一本化調整した野党を「基本政策も一致しない野党連合」と切り捨てる。対する白川候補は第一声で「今の政治の流れを変えていく」と強調。憲法改正のほか、年金制度や消費税増税の是非といった暮らしに身近な問題を争点に据え、野党勢力を拡大する戦略を描く。

  消費税 

 消費税率10%引き上げについて、古賀候補は10月からの幼保教育の無償化も理由に「社会保障経費を賄う安定的な財源としてやむなし」と主張。増税反対の立場を明確にする白川候補は、軽減税率やポイント還元について「高所得者や一部の人だけが得をする」と批判する。

  年 金 

 「老後に夫婦で2千万円の蓄えが必要」と試算した金融庁金融審議会の報告書を発端に、公示前に急浮上した年金制度問題。古賀候補は「働く世代を増やす」と訴え、社会保障制度を維持するため健康寿命を伸ばし「65歳定年」「70歳継続雇用」の実現を説く。公示前の2日、大村市であった公開討論会では「健康寿命を伸ばせば75歳まで働ける。健康づくり運動が必要」と持論を展開した。これに対し、白川候補は、老後資金2千万円問題の報告書を受け入れない政府の対応を真っ向から批判する。公開討論会では年金制度の維持に危機感を示し、「将来支払われるか分からない年金制度は根本から変えるべきだ」と訴えた。

  憲 法 

 参院選での与野党攻防の焦点の一つが憲法改正だ。安倍首相は9条に自衛隊を明記し、2020年の改正憲法施行を目指している。改憲について古賀候補は「時代の変化に応じて必要な改正をすべきだ」と主張。「専守防衛の現行解釈を維持しつつ、自衛隊の存在を憲法上明記すべきだ」と唱える。白川候補は「安倍政権による9条改憲発議には反対」との立場。自衛隊明記について「改正したらどうなるのか国民にしっかり説明し理解を求めるべきだ」と語気を強め、対決姿勢を鮮明にしている。
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 神谷候補は選挙戦で遊説などをしていない。動画投稿サイトを活用し、「NHK受信料の強引な徴収解消」「NHK放送のスクランブル化実現」などの政策を訴える。

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